奇遇 ページ12
半日だけで何度この階段を登り降りした事か、フェイルは駆け上がった先に佇む金色の列車へ足を運ぶ。
今更ながら取っ手のない扉の開け方に戸惑うも、とりあえず手を伸ばしてみればそれは横に吸い込まれていった。
中には未だに明かりが灯っており、目的の人物も何やら独り言と共に操縦席の側で右往左往している事が確認できる。
「なーんであのオヤジいないかなァ……ふつーここまで来たら顔見せるでしょ。……まさか、ネ……」
「サンディ、独り言で忙しそうだけどちょっといい？」
独り言を遮るように声を掛ければ、金髪を揺らしてサンディの視線がフェイルの姿を捉える。
小さな羽で彼女の元へと飛んできたサンディを掌に座らせてやれば、髪を弄びながら「おかえりっ」と色黒な肌と対照的な白い歯を見せて笑って見せた。
「どしたのよ天使サマ？もうここに来る用は……って人間のお仲間に挨拶しに行きたいのか！」
「んー……違う、けど……人間界に戻りたいのは事実だよ」
濁したつもりは無いのだがサンディはしきりに人間界に赴く理由を尋ね続ける。
予知夢の事とオムイからの指示の事を話してやれば、彼女はフェイル自身が一番引っ掛かっていた事を簡単に引っ張り出した。
「そか、女神の果実が人間界に散らばったんなら集めなきゃ世界樹サマは怒るもんね」
ウチの目的はそれか！と声をあげたフェイルを怪訝そうな目で見つめるサンディは、気を取り直すように咳払いをすると再び口を開く。
「奇遇じゃんフェイル、あたしも人間界で人探ししなきゃなんだよネ！」
簡単に纏めると彼女は「テンチョー」と呼んでいる人物を探すらしい。
バイト代を手に入れる為に。
天使の箱舟がバイト制な事に軽く衝撃を受け、よく受かったなとフェイルの口の中で呟かれたことも露知らずサンディは操縦席へと羽をはためかせる。
が、
すぐに「はァ？」と不満げに声を尖らせた。
「箱舟ちゃん、なんかまた壊れてるんですけど……」
「人間界に降りられないの？」
「目的地が設定出来ないんだよネ」
「人間界に葵い大樹、って無い？」
急な質問に目を白黒せさるも、サンディは素直に操縦席を操作する。
と、
「わ、あるじゃん。あのダーマ神殿ってトコの側の葵い木っしょ？」
小さく映った画面に見えるのはフェイルが予知夢で見たものと瓜二つで。
大きく頷いた彼女にサンディも「りょーかい！」とグーサインを突き出す。
そしてその手を勢いよく操作盤へ叩き付けた。
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CrazyBook(プロフ) - キキさん» すみません、未満警察とはなんでしょうか？ (2021年3月8日 20時) (
レス) id: 66a0a0e5f5 (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - CrazyBookさん» その他に未満警察に関して詳しいですか？ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - うーん・・・まずオチをイザヤールにして設定は作者の設定を参考して書いてみようかな？どの部分か・・・うーん・・・わからないです・・・ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - キキさん» 設定のどの部分が使いたいですか？ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - CrazyBookさん» うーん・・・ (2021年2月21日 16時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年10月11日 23時
