生きていく ページ1
ールーフィンさ〜ん！
扉越しに声を掛ければ中で人の動く気配がする。
気休めの鍵を開け、身形を整えたルーフィンが顔を覗かせた。
「大丈夫です？」
ましになったものの、少々顔色の悪いルーフィンに思わずそう尋ねる。
心配そうな彼女に、彼は少しだけ目尻を緩めた。
「大丈夫です。エリザが何を伝えたいのか……自分で確かめてみます」
小さくだが、前へと進む覚悟の漂うルーフィンへフェイルは頷く。
ー行きましょう！
彼女に導かれるようにして、ルーフィンは太陽の元へと足を踏み出した。
ーおぉ、ルーフィンさん！
本当にありがとうだよ！
ー妻と娘を助けていただき……
本当にありがとうございました！
ーまた爺さんと暮らせると思うと嬉しいねぇ
貴方には感謝してもしきれないよ
ーもう少しでダーリンとお別れになっちゃうトコだったわ！
何かお礼をしたいの！
掛かる言葉掛かる言葉、
ルーフィンの耳に入るのは、彼への「感謝」の言葉だ。
老若男女、
様々な人々から声が掛かる度に、ルーフィンは足を止める。
ー僕は……何も知らなかったんですね……
どんな人がいて
どんな人が呪いに苦しんでいたのかを……
休憩と称して腰を下ろしたベンチでルーフィンが口を開いた。
既に日は西に沈みかけている。
黙って耳を傾けるフェイルに、ルーフィンは続ける。
「僕はずっと……一人で生きていると思っていました。
誰にも関わらず、関わられず、自分の為だけに生きていると。
エリザと結婚したのも自分の為だと思っていました。
研究をする為の環境が整うからだとしか考えていませんでした。
でも、違った。
僕は……
確かに彼女を愛していたんだと思います。
気付くのが……
遅すぎましたね」
眼鏡を外し、目頭を押さえるルーフィンは軽くうつ向く。
静かにそれを見守るフェイルの前を、数人の子供が駆けていった。
「きっとエリザさんには届いていますよ」
ね、と同意を求めた先はルーフィンか、
はたまた彼の前で微笑むエリザか。
ルーフィンは困ったように笑い、エリザは嬉しげに顔を綻ばせていた。
誰も口を開く事なく、いつの間にか空には星が瞬き始めてきた。
と、
ー僕はこの町で生きていきます
エリザが魅せてくれたこの町で
この町の人々と共に
前を向いて……
真っ直ぐにフェイルを見つめて口を開いたルーフィン。
「それが、エリザさんの願いてすよ」
頷くエリザの目の前で、ルーフィンが「はい」と優しげな笑みを浮かべた。
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CrazyBook(プロフ) - キキさん» すみません、未満警察とはなんでしょうか？ (2021年3月8日 20時) (
レス) id: 66a0a0e5f5 (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - CrazyBookさん» その他に未満警察に関して詳しいですか？ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - うーん・・・まずオチをイザヤールにして設定は作者の設定を参考して書いてみようかな？どの部分か・・・うーん・・・わからないです・・・ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - キキさん» 設定のどの部分が使いたいですか？ (2021年2月21日 17時) (レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - CrazyBookさん» うーん・・・ (2021年2月21日 16時) (レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年10月11日 23時
