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諦め、信頼 ページ31

「さぁ、着きましたよ」

眼鏡の奥の瞳を輝かせたルーフィンが足を止めた。

彼の目の前に佇むのは1つの扉。

古びたそれの鍵穴は、やる気無さげに錆び付いていた。

若干無理矢理、鍵を穴に刺し込む。

ギャシッ、

という不気味な音と共に扉が手前に動く。

祠の中は、夜の闇と同等に深い。

「……“メラ”」

小さく唱えたクルスの杖に灯りが点る。

と言っても、足元を辛うじて照らせる程のものだ。

「では皆さん、着いてきてください。貴女達は僕の護衛なんですからね」

それもお構い無しに、ルーフィンはズカズカと扉の奥に吸い込まれていく。

「ったく、訳わかんねぇ野郎だな」

勢い任せに棍が叩き付られた地面が軽く凹む。

棍の土を払い、ガイアはルーフィンの後を追い掛けて行く。

「置いてかないでってば!」

それに続くフェイルとサンディ。

「クルス、灯りは任せるわよ……

クルス?」

返事の無いクルスに彼女は灰色の瞳を向ける。

「……あぁ、分かっている」

我に返ったように時間差で声を発したクルスも、漸く歩を進めた。

「……」

クルスの隣を歩くリアンが無言で槍を引き抜く。

「どうした?」

いつも通り、平然と尋ねるクルスへ彼女が視線を向けることはない。

「今度は……私が貴方を守りますから」

小さく響いた言葉に、クルスが薄い笑みを浮かぶ。

「……アイツらには言うな」

降参、と言いたげに両手を肩の高さにあげたクルスの口調にはリアンへの信頼が漂っている。

彼女の首は小さく縦に振られた。

埴輪→←返り血……?



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設定タグ:ドラゴンクエストIX , ドラクエ , ドラクエ9   
作品ジャンル:アニメ
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CrazyBook(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!亀更新かもしれませんが、気長に読んでください! (2018年9月7日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
かな - 始めて読んだけれど内容がとても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2018年9月6日 23時) (レス) id: ad5e0a46a7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 星咲夜空さん» 最高のコメントありがとうございます!更新は不定期ですが、オリキャラと共に話を続けていきます!気長に読んでください! (2018年6月9日 17時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空(プロフ) - ドラクエ9の小説は少ないし、内容も面白いので、更新が嬉しいです!頑張って下さい! (2018年6月9日 17時) (レス) id: b950053151 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ねこさん» コメント、ありがとうございます。非定期の亀更新ですが、気長に読んでください! (2018年3月11日 23時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:CrazyBook | 作成日時:2018年3月5日 5時

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