滅びの森 ページ3
「待たせたな！」
「待たせたわね」
フェイルとクルスは背後からの声に振り向く。
そこには満腹で満足げなガイアと、
抱えるように紙袋を持つリアンの姿があった。
「リアン、それ何？」
案の定のフェイル問いかけに、彼女は
「食料ですわ」
と短的に答える。
「ま、野宿は避けられないだろうからな」
そう言うクルスと頷くフェイルへ、ガイアが視線を向けた。
「そっちは進展あったのかよ？」
「もっちろん！」
進展、と言うのはレオコーン絡みの情報だ。
フェイルとクルスは先程の木こりから、レオコーンを探す魔物についての情報を得たようで……
「紅い目の女のような魔物らしい」
「【我が下僕、レオコーンを見なかったか】だってさ」
二人の言葉に首をかしげたのはサンディだ。
「ね、フェイル。あの黒騎士ってさ、人に害を加えるつもりはないんでしょ？なのに魔物の手先って変じゃネ？」
まぁね、と呟いたフェイルは怪訝そうなクルスの視線から逃げるように少し先を歩く。
既に彼女らはルディアノを目指し、エラフィタ村を出発していた。
「その魔物が嘘言ってる事も考えられるけど……何かあったら倒せばどうにかなるよ！」
興奮のあまりにビュオッ！と鉄の扇を振るったフェイルを、サンディを含めた一同が呆れたような瞳で見つめていた。
パチパチと木の燃える音が闇に吸い込まれていく。
その周りには、それぞれに腹を満たす4人がいる。
「本当にルディアノは北か？森しかねぇじゃねえかよ」
もっしゃもっしゃと、忙しそうに口を動かす合間にガイアが声を漏らす。
「ウチもあんまりここは好きじゃないかな……」
珍しくフェイルは辺りを不安げに見渡す。
「無理もありませんわ。ここは【滅びの森】と呼ばれていますもの」
食後の紅茶を配っていたリアンが呟いた。
「深い霧に覆われ、地面から当たり前のように毒が噴き出す。荒れた森には狂暴な魔物しかいないからな」
ふと空を見上げたクルスの目に、雲の間から顔を覗かせた三日月が映る。
「明日は絶対、ルディアノ見つけるからなぁッ！」
急な彼女の大声に、辺りを通り過ぎていた魔物はおろか、リアンまで肩をビクリと跳ねさせた。
「それならもう寝ろよ。俺が魔物がこねぇようにするからさ」
棍を拾い上げたガイアが立ち上がる。
「途中で代わる。その時は起こしてくれ」
そう告げたクルスに
「わーった」
と小さく返したガイアは一同に背を向けて仁王立ちを始めた。
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CrazyBook(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて何よりです！亀更新かもしれませんが、気長に読んでください！ (2018年9月7日 20時) (
レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
かな - 始めて読んだけれど内容がとても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2018年9月6日 23時) (レス) id: ad5e0a46a7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 星咲夜空さん» 最高のコメントありがとうございます！更新は不定期ですが、オリキャラと共に話を続けていきます！気長に読んでください！ (2018年6月9日 17時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空(プロフ) - ドラクエ9の小説は少ないし､内容も面白いので､更新が嬉しいです!頑張って下さい! (2018年6月9日 17時) (レス) id: b950053151 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ねこさん» コメント、ありがとうございます。非定期の亀更新ですが、気長に読んでください！ (2018年3月11日 23時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月5日 5時
