衣装代え ページ16
「本当に……ありがとうございました」
セントシュタインへ戻り、城の客間へ通された4人にフィオーネが一礼する。
「ウチらが殆ど勝手にしただけですって！」
「途中からは確かにな」
大げさに手を振るフェイルに同調し、ケラケラとガイアが笑った。
戦闘でボロボロになった服の代わりに、フィオーネの計らいで思い思いの服を手に入れた一同は、大人しくソファーへ腰掛けている。
フェイルは天使界から落ちてきた時の服装を止め、鎖かたびらと鉄の膝当てという戦闘向きの姿に。
「一応アンタ旅芸人っしょ？地味じゃネ？」
というサンディの言葉に彼女は耳を塞いでいた。
相変わらずのブルージーンズを手放さないクルスは、破れたローブの代わりに身かわしの服を纏っている。
と言っても、形はローブと同じなので殆ど変化がないようだ。
ご機嫌に棍を手元に置いているガイアは、上下黒色の武闘着の腰に紅い紐を巻いている。
ついでに髪を括る薄茶色の紐も、紅い紐に代えようとしたフィオーネを彼はさりげなく避けていた。
きちんとした手当てを受けた足も揃え、姿勢を正すリアンが纏うのは若草色のワンピース。
踵の低いヒールを履いた足には、ご丁寧に灰色のタイツを忘れない彼女。
「足見せねぇとか、色気もクソもねぇな」
と言ったガイアは棍を奪われ、キツい一撃を顔面で受け止めたらしい。
そんな一同がフィオーネと共に待つのはセントシュタイン王だ。
「ご褒美何だろネ？マジで楽しみ〜！」
フェイルの周りを飛び回るサンディも、好奇心が抑えきれない様子。
と、
ガチャっ
一同の視線を集めた扉から、王と妃が姿を現す。
彼らは席に腰掛ける事も無く、4人に深く頭を下げた。
「黒騎士の件……本当に世話になった」
迷いの無いその言葉に、フェイルとガイアは思わず顔を見合わせる。
「俺ら、黒騎士の首持ってこなかったぞ？良いのか？」
続けざまに尋ねるガイアに、今度は妃が首を横に振る。
「娘から事のあらましはお聞きしました。正直……娘が城を飛び出していったのには驚きましたわ」
小さく微笑んだ彼女は、レースのハンカチで目尻を拭った。
「儂はもう少し黒騎士を信頼してやっても良かったかもしれんな……」
妃と隣同士で一同の向かいに腰掛ける王。
「彼への弔いも含め、君達には礼をしたいと考えている」
その言葉を待っていた一同の目が輝いた。
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CrazyBook(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて何よりです！亀更新かもしれませんが、気長に読んでください！ (2018年9月7日 20時) (
レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
かな - 始めて読んだけれど内容がとても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2018年9月6日 23時) (レス) id: ad5e0a46a7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 星咲夜空さん» 最高のコメントありがとうございます！更新は不定期ですが、オリキャラと共に話を続けていきます！気長に読んでください！ (2018年6月9日 17時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空(プロフ) - ドラクエ9の小説は少ないし､内容も面白いので､更新が嬉しいです!頑張って下さい! (2018年6月9日 17時) (レス) id: b950053151 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ねこさん» コメント、ありがとうございます。非定期の亀更新ですが、気長に読んでください！ (2018年3月11日 23時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月5日 5時
