検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:10,003 hit

声の主 ページ14

「私は……遅かったのだな……」

ハッと声のした方向へ視線を集める4人。

そこには呪いが解け、ゆっくりと立ち上がったレオコーンの姿があった。

「無理は禁物ですわよ……?」

レオコーンを座れ、と目で促しながら彼女は3人に近付いていく。

足を庇うように槍を支えにしながら。

その後ろにはサンディの姿もあった。

「……まずはリアンが座りなよ」

「レオコーン、君も座っておけ」

素直に一同の側に腰掛けたリアンとは異なり、レオコーンは小さく首を振っただけ。

「魔女の討伐をしてくれたそなた達には感謝している……

だが………

アイツを倒したところで過ぎ去った時は戻せない。

私の失った姫は戻ってはこない……」

私は遅すぎた、と呟いたきり、その場でうつ向いて黙り込んでしまった。

チラチラと互いに視線を交わす一同も、なかなか声を発せられない。

その場が自然と重々しい空気に包まれていった。









「遅くなどありません……」

鈴の音のような心地のよい声が響く。

声の主の方向を向いた一同は、思わず目を見開いた。

「あ、あんた……」

震える指でガイアが指差したのは、扉の側に現れた一人の女性。

純白のドレスに身を包み、

紅いネックレスを胸元で輝かせる彼女は紛れもなく……

「……メリア……姫……ッ!?」

レオコーンと目を合わせ、メリア姫と思われる女性は少しずつ歩み寄ってくる。

「私はずっと貴方をお待ちしておりました。あの日行う筈だった婚礼の儀式を果たすために……」

小さく微笑んだ彼女は純白の手袋に包まれた手を、ソッとレオコーンへ差し出す。

呆然としていたレオコーンは我に返ると、小さく頷いた。

記憶→←基礎中の基礎



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
11人がお気に入り
設定タグ:ドラゴンクエストIX , ドラクエ , ドラクエ9   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

CrazyBook(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!亀更新かもしれませんが、気長に読んでください! (2018年9月7日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
かな - 始めて読んだけれど内容がとても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2018年9月6日 23時) (レス) id: ad5e0a46a7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 星咲夜空さん» 最高のコメントありがとうございます!更新は不定期ですが、オリキャラと共に話を続けていきます!気長に読んでください! (2018年6月9日 17時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空(プロフ) - ドラクエ9の小説は少ないし、内容も面白いので、更新が嬉しいです!頑張って下さい! (2018年6月9日 17時) (レス) id: b950053151 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ねこさん» コメント、ありがとうございます。非定期の亀更新ですが、気長に読んでください! (2018年3月11日 23時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:CrazyBook | 作成日時:2018年3月5日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。