田舎の朝 ページ1
田舎の朝と言うものは本当に静かで、
ビュオンッ！
御神樹の周囲でフェイルが振るう扇の音が辺りに響くのみだ。
既に、彼女の背中には折れた銅の剣は無い。
それと羽の扇を売って手に入れた鉄の扇が、フェイルの手元で踊っていた。
「重いけど……その分攻撃力ありそうだな」
満足そうに頷いた彼女を、昇り始めた朝日が照らす。
眩しそうに目を細めた彼女は大きく伸びをすると、扇をたたんでしまった。
「なかなか美味しかったわね」
宿屋の朝食に舌鼓をうつ4人。
その中で、ナイフとフォークを置いたリアンが小さく呟いた。
「飯、お代わりしてくるぞ」
3度目になるガイアの台詞に頷いたクルスの前では、フェイルが固いパンと格闘している。
「千切るって考えは無いワケ？」
呆れたようなサンディの言葉は、獣のように唸るフェイルには届かない。
「それはスープに浸して食べるのが正しい」
そう呟いたクルスが彼女の前で湯気をたてる白いスープを示す。
恐る恐るパンの端をそれに浸し、口に含んだフェイルの目が見開かれた。
「美味しい……！」
安堵の息と共に漏れたフェイルの言葉に、クルスは薄く微笑んだ。
と、
「もうちょい時間くれ。あと少しでおばちゃんが旨いデザート出してくれるんだと」
楽しげなガイアが席へ戻ってきた。
「あら、デザートまであるのね」
嬉しいわ、と付け足したリアンも目を細めて微笑む。
「デザート食べたらさ、もう村出る？」
順調にパンとスープを消費していくフェイルが首をかしげる。
「ヒントが北しか無いんだ。早めに出た方がいいだろうな」
冷めたコーヒーを飲み干したクルスがそう返す。
「まぁルディアノは逃げねぇよ。本当にあればだけどな」
ガイアの付け加えにフェイルも思わず苦笑してしまった。
と、
ーヒヒィンッ！！
宿屋の外から馬のいななきが響きわたる。
聞き覚えのあるそれに反応した4人は、すぐさま大きな窓へ駆け寄った。
そこから見えたのは、一人の村人に話し掛けるレオコーンの姿。
ダッ！
勢い良く宿屋を飛び出した3人に「おいおい！」と声がかかる。
「デザートまだだろうが！！」
そう叫んだガイアもすぐさま宿屋を後にした。
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CrazyBook(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて何よりです！亀更新かもしれませんが、気長に読んでください！ (2018年9月7日 20時) (
レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
かな - 始めて読んだけれど内容がとても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2018年9月6日 23時) (レス) id: ad5e0a46a7 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 星咲夜空さん» 最高のコメントありがとうございます！更新は不定期ですが、オリキャラと共に話を続けていきます！気長に読んでください！ (2018年6月9日 17時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
星咲夜空(プロフ) - ドラクエ9の小説は少ないし､内容も面白いので､更新が嬉しいです!頑張って下さい! (2018年6月9日 17時) (レス) id: b950053151 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ねこさん» コメント、ありがとうございます。非定期の亀更新ですが、気長に読んでください！ (2018年3月11日 23時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月5日 5時
