二組目 ページ35
女性はすぐさま王の横に立ち、フェイル達に向き直る。
「街の看板を見て……来てくださったのですか……！？」
「はい」
と頷くフェイルに、既に潤んでいた瞳から妃は滴を溢れさせる。
慌ててレースのハンカチで目頭を押さえる妃を他所に再び王が咳払いをした。
「看板を見た、と言うことは事件のあらましは知っているのでしょうが……もう一度お話しますぞ」
この言葉で始まった彼の説明を纏めると……
いつぞやの大地震が起きてから一週間後、
復興途中であったセントシュタインへ、黒い馬を従えた謎の黒騎士が現れたと言うのだ。
どうやら黒騎士はフィオーネ姫を求めているらしく、城の中へ押し入ろうとしたが城の兵士達により阻まれる。
その兵士達を一掃した彼はこう告げた。
ー1週間後後、シュタイン湖で姫を待つ
そう言い残すと謎の黒騎士は一陣の風のようにセントシュタインの街から姿を消す。
どうやら今日がその一週間後のようで……
「黒騎士討伐の人手が多いことは助かる。君らで二組目だよ」
椅子に座り直した王に
「二組目……？」
と怪訝そうな表情を浮かべるガイア。
「貴女様方の前に……討伐を引き受けてくださると言う方が二名、いらしたのです……ううっ……」
時折声を詰まらせる妃が示したのは客間へ続くと思われる扉。
「あそこにその二人もいる。一度あの部屋で待機してはくれまいか？」
そう王に促され、一礼するとフェイル達は客間の扉へ手を掛ける。
静かに開いた扉の先には豪華絢爛な装飾の施された、とにかく広い部屋が。
その中央に置かれたこれまた大きなテーブルに向かい合うように座っていた男女が彼女らを振り向いた。
ーあら……貴女達も黒騎士討伐に？
手前に座っていたラベンダー色の編み込みをした髪を持つ、ふわりとした雰囲気を漂わせる女性が問い掛ける。
「ちょっと私情にも関わってるモンで……！」
フェイルの声にうんうん！とサンディが頷いた瞬間、向かいの男性の目が細い銀縁の眼鏡越しにスゥと細くなった。
「君……何か連れているのか」
そう呟いた彼は背中から引き抜いた裁きの杖を的確にサンディへ向ける。
「じょ……冗談じゃないっしょ…！」
慌てて自身の背中に隠れる彼女を横目に
「何も！」
としらばっくれるフェイル。
しばらくフェイルを睨み付けていた彼も
「よしなさい、クルス」
と宥められ杖をしまった。
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キキ(プロフ) - CrazyBookさん» タイトルと設定で苦戦中・・・ (2021年2月21日 16時) (
レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
YUMARU - これみたあと、ドラクエ9久々にやってみましたww小説見ていて面白かったです！(*^^*) (2020年11月1日 15時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 群青の田舎人さん» ありがとうございます！嬉しい限りです！亀更新かもしれませんが、気長に読んでください！ (2018年8月24日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
群青の田舎人 - この小説を読んでドラクエ9引っ張り出してきましたwとても面白かったです！更新楽しみにしてます！(*^^*) (2018年8月24日 13時) (レス) id: 63b7e4717d (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - サリナさん» 勿論大丈夫です！占いツクールで書かれるのであれば、是非読ませてください！楽しみにしています！ (2018年4月12日 21時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年8月15日 14時
