微妙 ページ29
「じゃがリベルトはそう思わせたくはないと考えておったのじゃ。ワシも長年口止めされてきたが……今のリッカなら受け入れてくれると信じておるぞ」
フワリと微笑んだ祖父は杖をつきながらゆっくりと部屋を出ていく。
ー私……やってみる……
しばらくしてリッカは静かに口を開いた。
フェイルが振り向くと、そこにいた彼女には自信に溢れた笑顔が取り戻されている。
「私、ルイーダさんとセントシュタインに行く！そしてお父さんみたいな立派な宿屋にしてみせるんだから！！」
その返事を待っていたフェイルは満足そうに大きく頷いた。
「お、いたんだ」
部屋を出て早々、リベルトとサンディを見つけて彼女は声をかける。
見るとリベルトの瞳は少し潤んでいた。
「あの子が……これほどまでに立派になってくれるとは……」
言葉を詰まらせたリベルトは涙を拭い、フェイルに向き直る。
「貴女は紛れもない天使様です……私にもう未練はありません……」
そう頭を下げたリベルトの体はフワリと宙に浮き上がった。
ーありがとうございました……
その声も、薄れていく彼の体と共に徐々に消えていく。
リベルトは目映い閃光を放ち、そのまま姿を消した。
「やるじゃん自称天使！……って名前なんだっけ」
肩を叩いてくるサンディに
「フェイルだよ」
と答え、彼女は自室と化した部屋へ向かおうとする。
が、
「ちょ……待ちなよ！忘れ物してるっしょ！」
サンディに呼び止められ、元いた場所を振り向く。
しかし彼女の目の前には何もない。
「何もないじゃん」
ジト目で自身を見つめてくるフェイルに、サンディは大きく目を見開いた。
「ここ……星のオーラがあるんですケド……」
ーはあぁぁ！？
思わず叫んだフェイルの声に、リッカが部屋から顔を覗かせる。
「何もない！」
慌てて彼女をあしらったフェイルは、リッカには見えないであろうサンディを目で促して部屋へ駆け込んだ。
「ど……どういうこと！？」
「コッチが聞きたいっての！！」
狼狽えるフェイルの頭をサンディが軽くはたく。
「アンタ本当に天使〜？星のオーラが見えて幽霊が見えるってちょー微妙じゃね？」
そう呟く彼女を
「知らないっ！」
とあしらい、フェイルはベッドにダイブする。
「ま、明日天の箱舟のトコ行くよ〜」
そう告げたサンディも彼女の横で目を閉じた。
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キキ(プロフ) - CrazyBookさん» タイトルと設定で苦戦中・・・ (2021年2月21日 16時) (
レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
YUMARU - これみたあと、ドラクエ9久々にやってみましたww小説見ていて面白かったです！(*^^*) (2020年11月1日 15時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 群青の田舎人さん» ありがとうございます！嬉しい限りです！亀更新かもしれませんが、気長に読んでください！ (2018年8月24日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
群青の田舎人 - この小説を読んでドラクエ9引っ張り出してきましたwとても面白かったです！更新楽しみにしてます！(*^^*) (2018年8月24日 13時) (レス) id: 63b7e4717d (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - サリナさん» 勿論大丈夫です！占いツクールで書かれるのであれば、是非読ませてください！楽しみにしています！ (2018年4月12日 21時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年8月15日 14時
