遺跡 ページ19
その日の夜、
フェイルがベッドへ寝転がった頃にリッカが部屋へ入ってくる。
フェイルが体を起こして彼女を見れば、何か言いたげに自身を見つめていた。
「どーしたの？」
平然と尋ねればリッカはジッと彼女を見つめる。
と、
ーもし……フェイルがよかったら……
キサゴナ遺跡にルイーダさんを……！
ここまで口を開いたもののそのまま口を閉じ、リッカは軽く頭を振る。
そして
「ごめんね！今の忘れて！」
と無理に笑って部屋を出ていった。
と言う訳で翌朝早くにリッカの家を抜け出し、フェイルがやって来たのはキサゴナ遺跡。
朝食用にと言われていたパンを遺跡の前に立って頬張る彼女の姿は場違い極まりない。
ーにしても荒れてる〜……
全体的に朽ちてきた外壁は草や苔に覆われ、所々からは危なそうな色をした水が涌き出ている。
それらを避けて軽く押せば、思う以上に簡単に開いた遺跡の扉に若干面食らったフェイルだが、ズカズカと遺跡に足を踏み入れた。
……
やはり遺跡の中は所々荒れてはいるものの、松明が照っているため辺りを見渡すことには苦労しない。
背中から剣を引き抜き、いつでも戦闘に持ち込める体勢のままフェイルは奥へと進んでいく。
と、
「……何だこれ」
通路を不自然に塞ぐ石板が彼女の前へ立ちはだかった。
妙に新しいそうなそれに刻まれた文字を、埃を払いながら彼女は読んでいく。
「【こ……の遺跡の……魔物の……被害者をこれ……以上……増やさぬために……この……道を……封……印……する】……！入れないの！？」
と呟いたフェイルは、近くの崩れた岩壁の隙間から石板に塞がれた通路の先を見る。
その奥には地下へ降りられると見られる階段が口を開けていた。
ー崩すか……！
一瞬で物騒な脳みそに切り替わった彼女はその壁へ剣を構える。
そして今にも跳び掛かろうとしたその時、
ー……
何かの気配を感じた彼女は剣を構えたまや振り向いた。
そこにいたのは少しばかり恰幅のいい、人相の良い顔に下に白い髭を生やした男性。
体が透けて向こうの壁が見える時点で人間では無いだろう。
その男性はクルリとフェイルへ背を向け、歩き出す。
「待って！！」
慌てて彼を追った彼女は先程まで気が付かなかった細い通路へ入って行った。
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キキ(プロフ) - CrazyBookさん» タイトルと設定で苦戦中・・・ (2021年2月21日 16時) (
レス) id: 1f8411eea9 (このIDを非表示/違反報告)
YUMARU - これみたあと、ドラクエ9久々にやってみましたww小説見ていて面白かったです！(*^^*) (2020年11月1日 15時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - 群青の田舎人さん» ありがとうございます！嬉しい限りです！亀更新かもしれませんが、気長に読んでください！ (2018年8月24日 20時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
群青の田舎人 - この小説を読んでドラクエ9引っ張り出してきましたwとても面白かったです！更新楽しみにしてます！(*^^*) (2018年8月24日 13時) (レス) id: 63b7e4717d (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - サリナさん» 勿論大丈夫です！占いツクールで書かれるのであれば、是非読ませてください！楽しみにしています！ (2018年4月12日 21時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年8月15日 14時
