【WT】彼は絶対浮気なんかしない

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前とは打って変わった雰囲気を持ち合わせるそら先輩。にこやかに微笑むその姿は、容赦なく可愛い。

……私なんかより、そら先輩の方が魅力的だよね。髪も肌も綺麗だし、スタイルはいいし、顔は可愛いし。

そう考えると、涙が溢れそうになった。それでも、私はなかむの彼女のはずだ。

途端、なかむの背中に問いかけたくなる。ねぇ、なかむ。君の彼女は私だよね？

……違う、って。言われてしまう気がする。だからどうしても、口からその言葉は出てこない。

それでも、私は早足でなかむを追ってしまう。


「おい、お前。まだだぞ。まだ、なかむんとこは、行っちゃダメだからな、まだだぞ」

『……なんで、ダメなんですか？』


自分でもわかった。私は今、脳じゃなくて、肉体で話している。本能のまま、衝動のままに。

だめだよ、止まんないと。

スマイルさんが正しいんだよ、今出ていったら適当にかわされて、全てパーなんだから。

そう思っても、口は止まらない。


「はぁ……？」

なんかもう、わかっちゃってるじゃないですか、だって、そもそもスマイルさんに嘘ついてる時点で、もう、確定じゃないですかっ……』


我慢がならなかった。

一粒、また一粒と、愛でありながら哀である醜い結晶が、私の頬を流れ落ちていく。


「……おい」


スマイルさんに話しかけられる。返す余裕がない。

でも、スマイルさんの次の一言で私は顔を上げた。


「行ってこいよ、なかむのとこ」

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