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『スマイルさん……? どうして、スマイルさんも納得したから、こんなことしたんじゃ……』
震えがちな声で問いかける。あまり、いやかなり、違う。全く理解ができなかった。
悔しそうに下を向き、そしてスマイルさんは悔しそうに言った。ぶっきらぼうだった。
「納得なんて、してない」
「は? 何お前、納得したからこんなことしたんじゃないの? じゃあなんで、こんなことしたんだよ」
「納得なんてするわけない! 俺の好きな人の愛してる人を、何があっても信じてる人を、振り向かせられなかった奴がっ……。俺は、ただ」
利害が一致したから、それだけ。
唇を噛んでいる。でも、スマイルさんが噛んでいるものは唇じゃない、何かなんだと思う。
でも、なんだろう。それは、スマイルさんにしかわからない、他の誰かに代弁できないものなのかもしれない。
「はぁっ⁉︎ スマイル、あんた、散々私の力借りといてそれなわけ? 意味わっかんない、馬鹿なんじゃないの⁉︎」
「……俺の力だって借りただろ。第三者がいなきゃ、どうやっても浮気を疑わせる方法なんてない」
ぼーっと、二人の喧嘩を見る。
スマイルさんは別人だった。私が優しいと感じていたスマイルさんは、偽物だった?
「っ、もういい! 帰る、スマイルなんかさっさと振られたらいいじゃん!」
早歩きで去っていくそら先輩。気まずい沈黙が訪れた。
「……帰るわ」
『……すっ、スマイルさん!』
スマイルさんは忘れているかもしれない。答えはわかっている、けれど。
〈……あのスマイルさん。ずるいって思われるかもしれないんですけど、一つ、いいですか?〉
〈この状況が、どっちに転んでも……私、スマイルさんに、いなくならないでほしいんです〉
〈終わってからな〉
これを聞くことが、私の義務だ。聞いてしまった、応えてしまった、私と彼の責任だ。
「友達で、いてくれますか!」
スマイルさんは呆れたような表情で、
「……無理くさい」
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翠 - Ailesさん返してくれてありがとうございます!!短編集で…いいですね!全然待ちます、ずっと待ちます!体調に気をつけてこれからも頑張って下さいm(__)m (2022年11月17日 22時) (レス) id: 5283911c6f (このIDを非表示/違反報告)
Ailes(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます。smさんルート……書きたい気持ちでいっぱいなのですが、残りの話数が足りなくてですね……。それで、短編集を今度作成して、そこで書こう! と思っております。新作より遅くなりますが、見かけたら読んでいただければ、と思います〜 (2022年11月15日 15時) (レス) id: 0cc4311e40 (このIDを非表示/違反報告)
翠 - とても面白かったです!完結おめでとうございます!もしよろしければなんですけど結局Nkmさんを信じれなかった主人公のsmさんルート書いてほしいです…! (2022年11月15日 15時) (レス) id: 5283911c6f (このIDを非表示/違反報告)
lune(プロフ) - Ailesさん» 最終的に2人とも幸せそうだったので、浮気の件の余韻があったとしてもHappyENDだと僕は思いますよ!! (2022年11月15日 7時) (レス) id: 7ad8cd6c3a (このIDを非表示/違反報告)
杏豆 - Ailesさん» はわわ...!尊敬してる方にそんなことが言われる日が来るなんて...!こちらもありがとうではとても足りないくらい楽しませていただいてありがとうございました! (2022年11月15日 7時) (レス) id: d80eb34582 (このIDを非表示/違反報告)
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