【WT】彼は絶対浮気なんかしない

DAY.6 ページ22

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早朝。寝ぼけ眼を擦りながら時計の方に体を向けると、まだ五時半ということがわかる。

昨日は酷く寝付きが悪くて、夜中に三、四度くらい起きることになった。理由は言うまでもない。

何となくスマホを確認すると、スマイルさんからの着信があった。昨日の夜中？

帰った後死んだ心地で私はベットに突っ伏したから、スマホを見ていない。なんだろう。

階段を降りながらスマホをいじる。まだまだ心は虚無感で埋まっていた。

スマイルさんとのトーク画面を開く。寝惚けた視界が、しっかりとその文字を読み取る。


〈おい〉

〈不安なのはわかるけど、勝手に約束取り付けんなよ〉


意味がわからない。約束……？ 誰との？ なかむ？

寝起きで忘れているのかも知れないと思考を駆け巡らせるが、思い当たることはない。

スマイルさんからだからなかむのことだと思うけど……。約束なんてしていない。

私はすぐに返信をした。


〈見に覚えがないのですが、誰とのどういう約束でしょうか〉


既読はない。まあ、この時間帯だしまだ起きてないのかもしれないな。

早朝だということ、それから昨日の出来事のせいでご飯を食べる気になれない。

このまま二度寝したら起きれる気がしないので、なにかして時間を潰したいのだけれど。

取り合えず、とコーンフレークを器にどばどば注いでいると、スマホが振動した。

スマイルさんからの返信。

いやあの人、この時間帯も起きてるんだ。

期待した答えは返ってこないだろうな、と思う。案の定その通りだった。


〈なかむとデートの約束したんだろ？〉


思考を放棄したくなったのは、言うまでもない。

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