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「ひとらんっ!!」
反射で抱きつくと、びくともせずに受け止めてくれる彼はやっぱり優しいと思う。
「ごめんね、寂しかった?」
「言わない…!!」
そう言って彼は私の涙を人差し指で拭ってくれた。彼の問いかけには答えず、胸に顔を沈める。
寂しいって言って困らせたくないし、かといって嘘を言うのもイヤだった。
すぅ、と鼻から息を吸えば彼の匂いが私を包んでくれる。
ひとらんの匂いは、表現出来ないけれど、優しい匂いがする。落ち着ける、私が1番好きな匂い。
「ふふ、ひとらんの匂いすき」
「ッ〜///可愛い…!!」
そう言って、ひとらんは私と一緒にベッドへ寝転んだ。
「そういえば、なんで急に来れたの?」
「…有給取ってきた」
「えっ?!ほんとに?!」
「うん!」
私に貴重な有給を使ってくれた事の嬉しさで抱き締める力を強くした。
「じゃ、明日も一緒?」
「そうだよ。デートどこ行く?」
「ん〜そうだなぁ…」
明日も一緒に入れるんだ。
そう思っただけで心が踊ってしまう。
デートなんていつぶりだろう。
どこに行くのか、という想像をもくもくと膨らませる。
ひとらんとならどこに行っても楽しいんだけれど!!
「お家デートが良い!」
「家?なんで?」
「たーくさんイチャイチャできるもん!それにひとらん疲れてるでしょ?」
「ちょっ///それ反則///」
顔を赤くするひとらん。
「んふふ、ね、マスク外して」
「ん?いいよ〜」
そんなひとらんに、
「チュ」
キスを落とした。
久し振りなんだから、ちょっとくらい甘えたって良いよね。
「あ"ー!ホントに可愛い。愛してる、Aー!!!」
「そぉ?ありがと」
シングルベッドに二人は狭いけれど、久し振りなんだから二人で寝させて。
久し振り、なんて特権を使って色んな事出来るなぁ。
「んぅ、」
「眠いの?寝ていいよ。ごめんね、夜遅くに」
「寝ない、まだひとらんと居るぅ」
「明日も居るから大丈夫だよ。」
ちょっとだけ瞼が重くなって目を擦ると頭を撫でてそう言ってくれたひとらん。
まだネタクナイ、と思う気持ちとは反対にどんどん重くなる瞼に逆らえなかった。
「おやすみ。あいしてる。」
「俺も。愛してる。」
愛を再確認して、完全に瞼を閉じた。
また開けても、ひとらんは、ここにいるんだ。
確かな彼の体温に意識が遠のいた。
「チュ、良い夢を。」
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陰キャの鸚鵡 - 紙絵師mariceさん» 了解しました。 (2022年6月26日 11時) (レス) id: dc5797398f (このIDを非表示/違反報告)
紙絵師marice(プロフ) - OKです。平凡な人さんありがとうございます。パスワード大丈夫そうなので、どなたかお話作られたら、閲覧解除してもらえれば… (2022年6月25日 16時) (レス) id: 10321ddc6b (このIDを非表示/違反報告)
陰キャの鸚鵡 - 平凡な人さん» ちゃうんすか姉貴 (2022年6月25日 11時) (レス) id: dc5797398f (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - 陰キャの鸚鵡さん» ログイン勢扱いされてる草w (2022年6月25日 9時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
陰キャの鸚鵡 - 紙絵師mariceさん» ログイン勢の方(よくチャットの方にいらしている平凡な人さん等)に送って頂ければ嬉しいです…!!続編作成までありがとうございます…!! (2022年6月25日 9時) (レス) id: dc5797398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:国民7人 x他3人 | 作成日時:2022年3月31日 19時