相応しくない【ni】 ページ6
『お疲れ様でした〜…じゃっ､』
そう言って､カメラの録画停止とサーバーの退出を同時に行う｡
『んんっ…』
伸びをして､思わずもれた一言に違和感は無く､全身の力を抜き､自分の生きてることに対して不思議を感じる｡
メンバーの裏方に回って数年､俺には彼女が居た｡
狭くて物が多い防音室を出て､迷い無くリビングに向かう｡
リビングに着くと､ソファーに座りお茶を啜る愛人の姿が､俺の紫眼に映る｡
｢ん｡撮影終わったの?お疲れ様｡｣
少し機嫌が悪そうな声と何かを期待するような瞳で俺を眺める彼女､Aは､不思議と綺麗に見えた｡
『そ､心配ありがとな｡どしたん､機嫌悪そうに｡』
俺とAの間に沈黙と気まずい空気が流れる｡
｢あのさっ､｣
｢最近は兄さん､撮影だとか仕事だとかで､全く私にかまってくれないやん…｣
｢……我慢してる私の身にもなってや…っ｣
俯いている彼女の目には､僅かに涙が溜まっていた｡
『…ごめんな』
『気を付けるわ｡』
…俺に言えることはそれだけだった｡否､その言葉しかこんな自分が言うのに相応しくないと思った｡
｢ねぇ兄さん…かまってや…私に｡｣
｢こんな私が兄さんのパートナーで居て良いなら､もっと私にかまってやっ…!!｣
ぼろぼろと涙を流す君に胸を痛める｡
『おいで､A』
そう言ってAに手を広げる｡
弱々しく俺に縋り付く彼女を腕の中に閉じ込め､優しく頭を撫でる｡
暫くして､Aが落ち着いてきたから一旦腕を緩める｡
スマホの振動に気付き､Aに『ちょっと待っててな』と声を掛け､電話に出
Aが電話に出るのを阻み､涙目で訴えてくる｡
生憎､電話を掛けてきた本人はバケモンで､食害ルートが確定した｡
しかし､俺の胃とA､どっちを選ぶかと言ったら勿論Aなので､着信拒否をしてスマホの電源を落とす｡
Aは少し機嫌を直してくれたようで､嬉しそうに目を細めて再び俺の首に腕を回す｡
『A､こんな俺でも､Aに相応しいと思うか?』
｢勿論だよ､兄さん大好きやもん｡だから､もっとかまって｡｣
『変わらないな､Aは｡俺もAのこと大好きやで､もっとかまったる｡明日は一緒にどっか行って美味い飯食うか!』
｢うん!!｣＿＿＿＿＿＿
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陰キャの鸚鵡 - 紙絵師mariceさん» 了解しました｡ (2022年6月26日 11時) (
レス) id: dc5797398f (このIDを非表示/違反報告)
紙絵師marice(プロフ) - OKです。平凡な人さんありがとうございます。パスワード大丈夫そうなので、どなたかお話作られたら、閲覧解除してもらえれば… (2022年6月25日 16時) (レス) id: 10321ddc6b (このIDを非表示/違反報告)
陰キャの鸚鵡 - 平凡な人さん» ちゃうんすか姉貴 (2022年6月25日 11時) (レス) id: dc5797398f (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - 陰キャの鸚鵡さん» ログイン勢扱いされてる草w (2022年6月25日 9時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
陰キャの鸚鵡 - 紙絵師mariceさん» ログイン勢の方(よくチャットの方にいらしている平凡な人さん等)に送って頂ければ嬉しいです…!!続編作成までありがとうございます…!! (2022年6月25日 9時) (レス) id: dc5797398f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：国民7人 x他3人 | 作成日時：2022年3月31日 19時
