人生万事塞翁が馬【はじめしゃちょーの畑】 (ページ34)

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なんてページ34

『１回切って自分のスマホでかけ直します』

と、ともたかさん

わかりましたと伝えると、じゃあと言って電話が切れた

そしてすぐにともたかさんのLINEから電話がくる。

｢もしもし…｣

さっきまで話していたのに、またもしもしだなんて。

『もしもし』

さっきも聞いたともたかさんの声

｢えっと、ほんとにありがとうございます｣

『いいんすよ、俺がしたくてやってる事っす』

｢それでも、ありがとうございます｣

『Aさんて、止めない限りずっとお礼言ってそうっすよね笑』

｢え、いや、そんなことないです！｣

『ははは、で、Aさんはバス通勤でしたっけ？バスの中じゃさすがに通話出来ないっすよね。バス停まではいいとして。』

確かに
盲点だった…

だからといって、バス降りた後にもまた通話をするわけにも…

『じゃあとりあえず、バス乗るまで通話しときます。んで、バス降りたらまた電話してください。』

｢え？｣

『え？』

｢あ、いや、え？｣

『…え？‪笑』

｢えっと……いいんですか？｣

『え、寧ろ何がダメなんすか？』

｢え、あ、いや、その｣

『はは、テンパりすぎ笑とりあえず、バス降りたらまた電話しましょ。』

｢あ、えっと、はい……？｣

『決定』

なんか勝手に決定されてるけど、ほんとにいいのかな

だってYouTubeの動画編集って結構大変なんじゃ？
どうせなら電話を切るタイミングで編集に戻りたいはずだ

……私、畑と関わってから、畑の人に助けられてばっかだ

いやもはやこれって、助けっていうより甘えじゃ？

『……さん、……Aさん！！』

｢あっ、はい！！すみません！｣

やばい、ぼーっとして黙ってしまっていたらしい。

『大丈夫すか？体調悪いとか？』

｢いや。そういう訳じゃないです。すみません｣

『今度はすみませんばっか』

｢あ、すみません…｣

『ほらまた！』

｢あ｣

『ははは、ほんとにAさんって面白いっすね』

｢お恥ずかしい限りです…｣

いや、ほんとに何やってるんだろう自分
貴重な時間を割いてもらってるのに、迷惑ばっかりかけちゃって。

と、また、無意識のうちに1人の世界に入り込みかけた時

『大丈夫っすよ。』

耳元で優しい声が聞こえた。

｢…え？｣

『俺は、可愛いと思いますよ。』

｢えっ｣

今、なんて

『…………やっぱなんでもないっす』

｢え、ちょ、あの｣

『今日、いい天気でしたね』

｢あの、ともたかさん？！今日雨です…！｣