人生万事 塞翁が馬【はじめしゃちょーの畑】

正直と書いて建前と読む ページ11

「そっかぁ…」


再び頼りない声を出すはじめさん
若干鼻声……

かける言葉が見当たらなくなってしまい、私から沈黙を作ってしまう。



するといきなり


「よかったーー！！」


と、元気に立ち上がった。




「よかったー！やったよみんなぁぁ！！俺たちの動画に引き込まれたって！！」

「はじめさん鼻声じゃないすか笑」

「うるせえともたか髪半分だけブリーチすんぞ！！」



え、何、何
さっきまでのはなんだったの？

「Aさん、ほんとありがとうございます！！やっぱり面と向かっていろんな意見聞けるのは有難いし、『引き込まれた』なんてYouTubeやってる身としてはほんとに嬉しすぎる！！」


私の手を取りブンブンと上下に振るはじめさん


こんな情緒不安定な人なの？？
あ、失礼か



「はじめくん！Aさん混乱してるから！！」

ようへいさんにより助けられた私だったが、手を離されたところで混乱は収まらない
むしろもっと混乱してるんじゃないかしら？？？




「え、え、なんですかこれ、なんか、「傷ついた〜うぜぇ〜出てけ〜」ってやつじゃないんですか？」

「なんですかそれ。笑 俺たちをなんだと思ってんすか〜」

「いや、結構酷いこと言っちゃったし…」

「そんなこと、はじめくんもみんなも気にしてないですよ」




それに、とようへいさんは話を続ける


「俺たち…というかボスの動画ですけど。それみて、『引き込まれる。キラキラしてて楽しくなる。』なんて嬉しい言葉言われちゃ、みんなああなりますって笑」



なんだ、怒ってたわけでも悲しがってたわけでもなかったのか
よかった。

緊張していた心がゆっくりゆっくり温まっていくのがわかる。








誰でも1度は経験したことがあるのではないだろうか

正直に答えて、と言われて思ったままのことを伝えると、微妙な顔をされて避けられること

私の場合、小学生や中学生の時にはよくやっていた

『正直に』と言われると正直に答えてしまうこの口を何度も何度も恨んだが、それでも直らない。

不幸とかではない。癖なのだ。

だから正直に話すことはあんまり好きではなかった







けど、今この瞬間だけは、正直に話すのもいい事だななんて思ってみたり。

じゃあ、「また。」→←画面の中に引き込まれて

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