第7話 刺激が強いわ、お姉さん！ ページ8
理解が追いつくのに数分かかっただろうか。
間抜けな顔でぼけっとしている私はさぞ滑稽に見えることだろう。
ココちゃんの妖艶な仕草と、熱の篭った瞳に浮かされそうになるが、頭は案外冷静だ。
こんなに優しいキス、初めてだ。
ガラス細工にでも触れるような、優しいキス。
涙が溢れ出して、ネグリジェに染みを作った。
「A...？？ごめん、嫌だった？」
『や、ちが、ちがうのっ...ただ。』
ごめんなさい、そう謝るとココちゃんは私をまた抱きしめた。
「...ゆっくりでいいから、聞かせてくれ。」
その優しい手つきにまた涙が溢れ出しそうになるが、目をぎゅっと閉じて堪えた。
『...嬉しかったの。こんなに優しいキス、初めてだったから。ほんとは、！嬉しかったの！』
年下のココちゃんに泣きついていることからか、情けない姿を見せてしまったからか、恐らく両方だろう。
両目から絶えず涙が溢れ出てくる。
申し訳なくなってココちゃんを見上げると、ココちゃんは何故か顔を真っ赤にして天を仰いでいた。
『ココちゃん...？』
あまりの驚きに涙も引っ込み、何度か名前を呼ぶとようやくこちらを向いてくれた。
やだ...可愛い！！
ずっと此処に居てくれればいいのに...。
...言わずに後悔より、言って後悔よね。
先人の知恵(？)に従いましょ！
『あのね...ココちゃ』
ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ
『......はえ？』
思わず間抜けな声が出て、口を塞いだ。
スマホの着信音が響いて、私の太腿の下、つまりココちゃんのポケットあたりから振動が伝わってきた。
...やだ、拍子抜けしちゃった。
数秒の沈黙の後、ココちゃんが私を下ろして立ち上がった。
「ごめんな。ちょっと出てくるわ。」
そう言って、ペロリと舌を出すと廊下に出ていってしまった。
...。
『あー...！！！！』
クッションを引っ掴んで、顔を埋めて悲鳴をあげた。
やだもうずるくない！？
私は、また赤くなった頬を抑えてソファーに蹲るしかなくなったのだ。
第8話 落ち着きましょ、お姉さん！→←第6話 運命かしら、お姉さん！
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かじゅり(プロフ) - とっっても面白くて、ワクワクしながら読ませていただいています！もしよければ地獄の沙汰も金次第のパスワードを教えていただけませんか？すごく面白そうで読みたいと前から思っていて、、 (2022年3月23日 11時) (
レス) id: e010c7cee2 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - な、なんと可愛らしい夢主さんなのでしょう、、、、続きが気になります！更新再開の予定はありますか！？待ってます！頑張って下さい！！ (2022年3月10日 1時) (レス) @page12 id: a2b06cd108 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - にぃと。さん» コメントありがとうございます☺️頑張って猫かぶってる九井さん可愛いですよね〜！書いてて微笑ましくなっちゃいます。応援ありがとうございます！これからも更新頑張ります🥰💪 (2021年11月3日 21時) (レス) id: de8deeea81 (このIDを非表示/違反報告)
にぃと。(プロフ) - LIN Eまで女の子なりきってる九井さんかわいっ！投稿頑張って下さい！ (2021年11月3日 17時) (レス) @page11 id: 6a4da30361 (このIDを非表示/違反報告)
えりりん(プロフ) - 林檎味のぶどうさん» コメントありがとうございます！これからも可愛い夢主ちゃんが書けるように頑張ります！☺️💕 (2021年10月27日 7時) (レス) id: 23ae126ffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりりん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php?svd=sea
作成日時：2021年10月4日 21時
