沖谷昴にご用心 ページ10
「ここが博士のお家よ！」
「カレーは隣のでっかい家の兄ちゃんが作ってくれるんだぜ！」
…来てしまった。
小学生の元気さとキラキラした笑顔に押されて、ポアロから連れ出され、初めましての人の家に上がり込み、さらにはカレーを頂こうなんて…。
最初はご迷惑だからとお断りする方向だったのに、哀ちゃんは博士さんに、コナンくんは皆にお願いされて沖谷さん？に連絡をとり、なんとOKを取って来てしまったのだ。寛容すぎない？
そして気になるのは、店を出る前の、安室さんの真剣な表情と言葉。
「A、俺はついて行ってやれないからな…これだけは言っておく、沖矢昴と言う男には気をつけろ」
「…え？なんで？て言うかだれ？」
「以前話しただろ、沖矢昴が俺の憎んでいる男が変装した姿だと睨んでいるんだ」
「へぇ…別に私に害はなさそうだけど…」
「いいから気をつけろ！おそらくいつも通り、変装マスクを被り、首の変声機をハイネックで隠しているはずだ…あまり関わるなよ」
「はいはい」
「はいは一回」
「はい」
博士さんの家に上がると、明らかにこの人が博士さんだ！！と言う人と、その横に高身長の優しげなイケメンがいた。
「初めまして、沖矢昴と申します」
「あ、初めまして、音無Aです…」
安室さんがあんなこと言うから。
首から視線が話せないじゃないか！本当にハイネック着てるし！！
表情は別に胡散臭い感じはしない。マスクだからかな？安室さんと違って。
「…先ほどからどうかしましたか？僕の顔に何か？」
「あ、いえ、すみません」
そうは言いつつも私の視線は相変わらず沖矢さんの首に注がれ、そしてついに、
「！？」
「…あ、これが変声機？チョーカー型なのかな」
「おい、」
「てことは本当にマスクなの？…あ」
思ったことをすぐ言う私の病気が再発した。しかも行動付きで。
無意識にハイネックに手を伸ばした私は、そのまま首を優しくさする。そこに機械的な手触りを覚え、思わず言ってしまったのだった。
ハッとして手を引こうとするとその腕はあっさりと沖矢さんに掴まれ、謝ろうと顔をあげると、先ほどと同じ人とは思えないほど冷たい視線で私を見下ろしていた。
「…なんのつもりだ？なぜ知っている？」
「えっあ、これは、」
「組織のものか…？答えろ、何者だ」
「いやあの、ごめんなさ、あの、安室さん、が、」
「安室くん？…！」
その瞳に強い恐怖心を覚え、瞳からボロボロと涙が溢れる。
沖矢さんは驚いて手の力を緩めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 386人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねむ - 『触れられない』で安室さんが送らずにその場で別れたのが切ないけど大人な感じが解釈一致すぎます！！！夢主ちゃんも魅力があり、2人の掛け合いも好きです。 (2023年2月10日 1時) (
レス) @page8 id: 0b072b8240 (このIDを非表示/違反報告)
nao0824hito(プロフ) - 更新楽しみにしてるっす！ (2020年10月10日 19時) (レス) id: 04378a0bcb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いております。沖谷ではなく、沖矢ではないでしょうか？これからも楽しみにしております。 (2019年8月31日 13時) (レス) id: 507dd71bb9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エリス | 作成日時：2019年8月16日 10時
