親しい間柄？ ページ4
ポアロの扉の開く音に、いつも通りいらっしゃいませと声をかけながら顔を上げると、ヤッホーと手をあげるAさんがいた。
彼女はあれ以来、週に一回来店する常連さんの仲間入りを果たし、最初こそ梓さんに「またファンを増やしたんですか？」なんてジト目をされていたが俺たちの「こんにちは、胸に板でも入れてるんですか？真っ平らですね」「入れてねーわ！胸がなくて悪かったな！？」と言うやりとりに目を丸くし、ファンという考えは無くしたらしい。
かわりにAさんが来店すると、俺が裏にいる時までわざわざ教えてくれるようになった。それも最高のニヤニヤ顔で。何か勘違いされている気がしなくもないがもうこの際深くは聞かないでおこう。
「こんにちは。カウンター席で、いつものホットココアですか？」
「ふっふーん、今日はねぇ…コーヒーをいただくわ」
気取ったようにコーヒーを注文する彼女。
「え…！？コーヒー！？甘党で苦いものが苦手でお子様な舌を持っているAさんが！？無理です、絶対無理ですよ！？」
「誰がお子様よ！お子様はそっちでしょ童顔！見た目大学生！！」
「あ、声に出てました？すみません」
「思ってないなら謝らなくていいですなんか更にイラっとする」
いいから早く持ってきて！！そう言われて仕方なくコーヒーを用意する。
どうやらポアロはコーヒーが美味しいのだと蘭さんに聞いたらしい。
いや…どれだけ美味しくてもコーヒーはコーヒー、苦味があるし、それこそがコーヒーの美味しさなので、到底ココアばっかり飲んでるあなたには無理だと思いますが…とは言わずに、面白そうなので行く末を見守ることにした。
ゆったりとした動きで、カップに口をつける。
一口。
止まる。
カップを置く。
「…どうです？」
「…まぁまぁね。でもミルクとお砂糖入れたらもっと美味しくなる気がするので持ってきてくださる？」
「え？なんですか？コーヒー美味しい何杯でもいけそう？それは良かった！じゃあ僕は仕事に戻りますね！」
「あああああ待って待ってごめんなさい苦いのでミルクとお砂糖くださいいいいい」
気取った態度と言葉遣いで言うので少し意地悪を言ったらあっさりと本来のAさんに戻った。
眉をハの字にして舌を出すAさん。唇の間からちらりと見える舌に、なぜかはわからないが少し目を奪われた。
黙っていればやはり可愛らしい顔立ちだなとぼーっとしていると、涙目の彼女に早く！とせっつかれた。
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ねむ - 『触れられない』で安室さんが送らずにその場で別れたのが切ないけど大人な感じが解釈一致すぎます！！！夢主ちゃんも魅力があり、2人の掛け合いも好きです。 (2023年2月10日 1時) (
レス) @page8 id: 0b072b8240 (このIDを非表示/違反報告)
nao0824hito(プロフ) - 更新楽しみにしてるっす！ (2020年10月10日 19時) (レス) id: 04378a0bcb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いております。沖谷ではなく、沖矢ではないでしょうか？これからも楽しみにしております。 (2019年8月31日 13時) (レス) id: 507dd71bb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリス | 作成日時：2019年8月16日 10時
