彼女との出会い ページ2
たまたまその日、シフトが入っていた。
いつも通りの作業をこなしていると、蘭さんと園子さん、それから見たことのない女性が入店してきた。
可愛らしい顔立ちに一瞬目が奪われるも、すぐに持ち直す。しっかりしろトリプルフェイス。
挨拶をしなければとこちらもいつも通り、『安室透』としての表情を作った。のに。
「うわっなんだこいつ胡散臭っ」
…なんだと？
初対面の相手に胡散臭いというのも十分ひどいことだが、俺は仕事で真剣に『安室透』を演じている。これまでそれを誰にも疑われたことだってなかった。だというのに、その俺の表情を見て胡散臭いと言うとは…
個人的な感情ではあるが、プライドが許さない。
と、少しイラっとしてしまった為、口調は安室だが、言っていることは『降谷』だった。
小さくて見えなかったと。
改めて自己紹介をした時も、苗字で呼ぶのをオススメしてきたのでにっこりと笑って名前で呼んでやると、あちらもにっこりと笑って俺を見た。その顔にはふざけんなと書いてあるのは見間違いだろう。
それから注文された飲み物を持ってテーブルに行くと、少し話しましょうよ！と園子さんに誘われた。
まぁ、他にお客さんも今はいないし、いいか。
もちろん空いているのはAさんの隣なので、そこへ座ると突然、
「安室さん、Aさんのことどう思います！？」
と園子さん。いや、どう思うと聞かれても、さっきのやりとりを見ていなかったのだろうか。
「実はね、Aさん、こんなに美人なのに、彼氏いないんですよ！安室さんも彼女いませんでしたよね？2人が並べば美男美女！目の保養なんですけど〜」
え、Aさんって彼氏いないのか。
可愛らしい顔立ちなのになぁとちらり、視線をやると丁度こちらに目を向けた彼女と目が合ってしまった。
何よ、とでも言いたげなその視線に、思わず口角が上がる。
「Aさん、お付き合いしてる人いらっしゃらないんですね！驚きました」
「何よ悪い？」
「いえ、こんなに可愛らしいのに彼氏がいないなんて…」
「え、か、可愛い？」
「何か問題があるんでしょうね！性格とか！」
「殴る」
そう言って拳を作って見せた彼女をスルーしてやると、Aさんは拳をおさめてこう言った。
「安室さんこそ〜こんなにイケメンなのに彼女がいないなんて、性格に難ありなんでしょうね！」
見事なブーメランを投げ返された。
しばらくばちばちと睨み合い、またも最初と同様に、蘭さん園子さんに止められた。
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ねむ - 『触れられない』で安室さんが送らずにその場で別れたのが切ないけど大人な感じが解釈一致すぎます！！！夢主ちゃんも魅力があり、2人の掛け合いも好きです。 (2023年2月10日 1時) (
レス) @page8 id: 0b072b8240 (このIDを非表示/違反報告)
nao0824hito(プロフ) - 更新楽しみにしてるっす！ (2020年10月10日 19時) (レス) id: 04378a0bcb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみ(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いております。沖谷ではなく、沖矢ではないでしょうか？これからも楽しみにしております。 (2019年8月31日 13時) (レス) id: 507dd71bb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリス | 作成日時：2019年8月16日 10時
