その23 ページ23
私は焦っていた。思ったように、口が動かなくて。
「3ヶ月も費やしてそばにいたし恋人にもなったけど、なんにもわかんなかったのー。真っ白よ、真っ白!!」
疲れたように肩をすくめて、私の口はそう動いた。
どうしよう。嘘ついたなんてバレれば殺されてしまうかもしれないのに。...でも。
彼がノックだと私が言えば?
私は助かるけどその話はジンに伝わるだろう。そして気性が荒いと言われるジンならば、迷いなく彼を、...殺す、だろう。
死んでしまう。透が。零が。
それを想像すると、心臓のあたりが嫌な感覚で締めつけられる。なんなの、これ。経験したことのないような感覚に戸惑う。
もしかして私、彼が好きなの?
「...!!」
自問自答して、やっと気付いた。けれど今更遅い。
私は、彼になんてこと...あんな風に騙して、ご丁寧に全部ネタバレして...!!
「おい、C。嘘ついてんじゃねぇだろーな?もし嘘なら、...ボスがなんて言うか、わかるだろ?」
「...」
「数年前に両親を亡くしたお前をここまで世話してくれたボスに、失望されたくないだろ??」
彼に、謝りたい。
なんとかして、零のところへ...その為には、
この組織を抜けるしかない!!
私は顔を上げてキッとAを見た。
「またボス?ボスの名前出さないと私を操れないの?幹部のくせに」
「...あ?」
「両親を亡くした私を世話したって、偉そうにいうけどねぇ...!全部知ってんのよ!!」
薄暗い倉庫の中、激情にかられて声をあららげる。
「私の両親を殺したのが!この組織、シークレットのせいだって、知らないとでも思ったわけ?!そんなもん幹部になったその時にぜーーーんぶ!探り入れて知ってたっつの!」
私にとって良い両親ではなかった。それに、中学生ではひとりで生きていくことは確かに難しい。そう判断し、自分が生きるための最良の道を選んだだけの話。
降谷零という人を、私の光を見つけた今、こんな暗闇に用はない!!
「テメェ...」
「こんな組織抜けてやるから!あんたにもボスにも、恩なんて何も無いんだから!!」
しね、ばーか!!
そう叫んで親指を下に向かってたててやった。
Aの視線が鋭くなったのを見て、私は真後ろの扉から飛び出した。殺される前に、逃げなきゃ...!
後ろからは「お前ら追え!逃がすな!!」というAの声が聞こえて冷や汗が流れた。
あいつは私が運動が苦手なのを知っている。
それでも私はどうにか逃げなければと走り続けた。
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れい(プロフ) - 復元してくださりありがとうございます!! 此れからの更新も待ってますね (2019年2月23日 21時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - れいさん» お早いコメントありがとうございます!!なんとかかんとか復元ができましたのでまた続編のほうで続きを書きます…!ありがとうございます(;ω;) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - キャバ嬢 書きましょう!! (2019年2月23日 17時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 陽香さん» ひええありがとうございます…!もっと更新できるように頑張ります!! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - ののいろ系女子さん» 最近降谷さんが出てきてませんがそろそろ出てきますので…!よろしくお願いします! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリス | 作成日時:2018年6月8日 9時