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その22 ページ22

時期に薬が効いて眠くなってくるはずだ。最後に本当のことを教えてあげよう。
私を、愛してくれたお礼に。

「私は、偽名じゃない。」
「…?」
「私の名前はAだってこと!」
「ああ…知ってる、職場で、…調べた…君の戸籍もデータも残って…」

うとうとする透。ごめんね。っていうかそんなことしてたのね。誤魔化さなくて逆に良かった…。

「私はね、情報収集を得意とする組織、『シークレット』という組織の幹部なの」

眠そうな彼の瞳が、眠そうなまま開かれ私を見た。
何を言ってるんだという表情。けれどすぐに眠気に襲われる。

「幹部は全員アルファベットのコードネームを与えられる。私はC。」
「A…?」
「私はそこで仕事を与えられたの。透、あなたに探りを入れろ、って。」
「どう、いう…」
「ごめんね、私の情報収集の方法はハニートラップ。ここまで言えばわかるかな…」
「…う、そだ…」

ゆっくり立ち上がって、目の前にいる透の側へ移動する。
もう眠気で言葉すらうまくでないようだ。そんな彼を、後ろから抱きしめた。

「眠いんだよね?大丈夫、逆らわないで…眠っていいんだよ」
「…A」
「たくさん、私を好きだと言ってくれてありがとう。

おやすみ…バーボン」

「なんでその…名前…!」


がくん、と突然彼の体が重みを増した。そのままその体をソファーに横たえる。
寝息を立てる唇に一度キスを落としてから、荷物を持って透の…零の部屋をでた。
その足でタクシーを捕まえ、拠点としている倉庫へ向かった。



今回も、大成功だった。
彼は最後の最後まで何1つ私を疑わず、好きだっただろう。
これこそ私の完璧なハニートラップ。これこそが私の美学。彼には悪いことをしたと心の中で謝るも、さすがわたし!という思いもあった。

さて、問題はどうやって報告するか、よね。
突然公安だった!!って暴露するよりも私のテクニックを語るだけ語ってからの方が良いよね!

あれこれ思案しながらも到着した倉庫に迷いなく足を踏み入れる。

「久しぶり、A」
「Cか。久しぶりじゃねぇぞ、男1人に3ヶ月近くかけやがって…成果はあったんだろうな?」

早速きたか。そう思い、ゆっくりと口を開いた。

「それがねぇ…


…完全に、シロよ」





あれ?





口をついてでたのは私が考えていたのと真逆の答えだった。
自分でも訳が分からず、脳内で混乱する。
その答えに納得いかないAに睨まれ、先を促された。


あれ…?

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れい(プロフ) - 復元してくださりありがとうございます!! 此れからの更新も待ってますね (2019年2月23日 21時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - れいさん» お早いコメントありがとうございます!!なんとかかんとか復元ができましたのでまた続編のほうで続きを書きます…!ありがとうございます(;ω;) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - キャバ嬢 書きましょう!! (2019年2月23日 17時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 陽香さん» ひええありがとうございます…!もっと更新できるように頑張ります!! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - ののいろ系女子さん» 最近降谷さんが出てきてませんがそろそろ出てきますので…!よろしくお願いします! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリス | 作成日時:2018年6月8日 9時

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