その１６ ページ16
さくっと仕事を終わらせて、パーティー会場に繋がる廊下を歩く。
そんな私の頭の中は先ほど見かけてしまった彼のことでいっぱいだった。
み、見られたよね？あれ透だったよね？
なんでここに...ていうか、もう帰ったかな、帰ったよね...！
こういう可能性があるからハニトラがダブルブッキングするのは嫌なのに...どうしよう、怪しまれただろう。
考え事をしながら歩いていた私は通りかかった部屋から伸びてきた腕に、簡単につかまり引きずり込まれてしまった。
「わっ...？！」
ガンッ
壁に押し付けられると同時に耳元で聞こえた轟音に、思わず一瞬目を閉じてから、そーっとまた目を開けた。あぁ、かえってなかったのね...
「と、とおる...」
「こんばんは、Aさん？」
透さんはにこりとほほえんでいるが、私の顔のすぐ横にある彼の手に怒りが伺えた。ああ、さっきのガンッて、壁ドンされた音か...。すごい音したけど壁、ヒビ入ってない？
「こんな所でなにをしているんでしょう？」
「う、うーんと、えーと、...企業秘密...？」
もはや誤魔化してすらいない。どうしよう。
むしろ企業秘密とかわけのわからないことを言ったせいで透から笑顔が消え去った。怒りを隠そうとしてない。
「言え」
はい。
「知り合いに誘われて...」
「知り合い？先ほどの男性ですか？僕というものがありながら別の男性とパーティーへ？」
「あの人は違くて...」
「知り合いではない？そんな男に肩を抱かせてホテルの部屋へ一緒に行ったんですか？？」
「いや、少し酔いが回って、休める部屋があるって言うから」
「休んだにしては早いお帰りですね」
「うんあの、や、やっぱり良いやーって途中で！」
「僕では物足りないと。だからこんなところへ来て、男性と２人きりになるんですか？」
その悲しそうな声色に、ハッと彼の表情を見た。
胸がズキズキと痛む気がする。
「ちゃんと言ってください。言ってくれなければ何もわかりません」
おっと。
私はこの会話の中で、付け入る隙を見つけてしまった。怒られていてもその隙は見逃せない。
「透だって、...何も言ってくれない」
「え？」
「恋人になってから、ポアロ以外で一度も会えてない。忙しいって何してるの？探偵だけでそんなに忙しいものなの？」
「それは...」
「ポアロで見かける時だって、日に日に疲れが溜まっていってる。クマができてる時もあった、まるで寝てないみたいに。」
「...」
「話してくれないのは、透もだよ
...帰る。」
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れい(プロフ) - 復元してくださりありがとうございます!! 此れからの更新も待ってますね (2019年2月23日 21時) (
レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - れいさん» お早いコメントありがとうございます！！なんとかかんとか復元ができましたのでまた続編のほうで続きを書きます…！ありがとうございます(；ω；) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - キャバ嬢 書きましょう!! (2019年2月23日 17時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 陽香さん» ひええありがとうございます…！もっと更新できるように頑張ります！！ (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - ののいろ系女子さん» 最近降谷さんが出てきてませんがそろそろ出てきますので…！よろしくお願いします！ (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリス | 作成日時：2018年6月8日 9時
