その34 ページ34
「...A」
「なに」
「俺が悪かったから、もう少しこっちに...」
「そこから1歩でも私に近付いたら嫌いになる」
「...!!」
翌朝、私と零は地味な攻防を繰り広げていた。
私はリビングの隅に体育座り、零は扉の前で立ちすくんでいた。
「とりあえず昨晩の言い訳くらいきいてあげる」
あれから、零のテクニックで洗いざらい全て話して、そこからは零が満足するまで付き合わされた。
というか、流石に酷くない?もうシークレットでもないし隠したり嘘ついたりするつもり無かったのに!!
1年ぶりに会っていきなりこれとか!また海外行こうかな!?!?
「...Aは隠し事がうまいから、包み隠さず話させるには脅しともとれるあの方法が最善だと思ったんだ」
「というのは建前で本音は?」
「1年ぶりのAに我慢できませんでした」
「だろうと思った!!!」
そもそも、シながらじゃきゃ答えないような際どい質問なんか無かった。それこそ雑談みたいな質問ばっかりで!!
いままでどこの国にいた?とか、俺のこと忘れなかったか?とか。普通に聞いてくれれば答えますけど?!
「だいたい私のブランド物もまとめて捨てちゃうし!!零、なにかとひどいぞ!!」
「す、すまない...でもブランドはターゲットに貢がせたものなんだろ?俺が新しく買ってやるからいらないよな?」
「もったいないって言葉知ってる??」
部屋の隅と隅で少し声を張っての会話。
目に見えてしょんぼりしはじめた零に、仕方なく私から立ち上がり近づいた。
「...ココアいれてくれたら、許してあげる」
「!すぐいれるから、座っててくれ」
いそいそとカウンターキッチンに入った零を見ながら、私はソファーに座った。
ぼんやり、昨晩のことを思い出す。
私の首に顔を埋めて、震える声で好きだ、いなくならないでくれと何度も言った彼は、泣いていた。
私はほとんど零の事を知らないけど、多分、そういうトラウマがあるんだろう。
そう思うと、急に消えてしまった1年前をすこし後悔した。
それに。
想いを自覚してから零に好きだと言われるのは初めてだったからか、昨晩は私も熱がはいってしまった。
零の吐息や腰の動きまでうっかり思い出してしまって、顔が熱くなる。
「お待たせ、...なんて顔してる」
「あ、ありがと。いや、別に...」
そんな可愛い顔をして、誘ってるのか?
なんて色っぽく私の耳元で囁く零。
「いま襲ってきたらココアぶっかけるからね」
「悪かった」
もうちょっと反省しろ!
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れい(プロフ) - 復元してくださりありがとうございます!! 此れからの更新も待ってますね (2019年2月23日 21時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - れいさん» お早いコメントありがとうございます!!なんとかかんとか復元ができましたのでまた続編のほうで続きを書きます…!ありがとうございます(;ω;) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - キャバ嬢 書きましょう!! (2019年2月23日 17時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 陽香さん» ひええありがとうございます…!もっと更新できるように頑張ります!! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - ののいろ系女子さん» 最近降谷さんが出てきてませんがそろそろ出てきますので…!よろしくお願いします! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリス | 作成日時:2018年6月8日 9時