番外編 潜入!キャバ嬢7 ページ3
思った通り、客として入ったあの店に、Aの姿を見た。彼女は固まっていたが、追っていた男…東は俺に見せつけるようにAの腰を抱いて店の奥へと入って行った。
一方的に与えられた情報の中にこの店の見取り図も入っていたので、男とAの消えて行った方向を確認し、取引の行われるであろう部屋に頭の中でアタリをつけた。
毎回取引相手は東よりも後に来るという情報を考慮し、待つ。女性と当たり障りのない会話をし、酒には口をつけない。店内には先に入らせていた公安の部下たちである程度固めているので、俺がGOサインを出しさえすれば制圧はあっという間なのである。
「そういえば!安室さんだっけ?Aちゃん指名しようとしてたでしょ!!」
「ああ…彼女、Aさんというんですね。ええ、綺麗な方だと思いまして」
「それ!しかもめっちゃ良い人なんですよ〜、…でも、オススメしないです」
突然声を小さくした女性に、疑問符を浮かべる。
「たぶん、さっき一緒にいたお客さんのおてつきだから。」
「…!それは…」
「私は担当したことないんですけど、今まで数人担当した子達の話きくと、あのお客さんにつくと必ず初日にヤラレちゃうんですって!」
「…へぇ?」
「美人で性格も良いですけど、他の男のおてつきなんて…ね?それに比べてぇ私、誰ともアフターしてないんですよぉ」
甘えるような声になった女性の話などもはや耳に入らなかった。
必ず、と言ったんだ、この女性は。必ず初日に抱かれると。
視界の端、たった今入店した男が、店の奥…東たちの消えた方へ行くのを確認して、今すぐにでも飛び込みたい気持ちをぐっと抑える。
それから10分がたった。うん、もういいだろう、我慢した方だ。
髪で隠したイヤホンマイクのスイッチを押し、小さく指示を出したその声は、自分でも驚くほどに冷たかった。
「5秒数える。ゼロで突入、制圧しろ」
5
4
3
2
1…
ゼロ、の言葉は店内の部下たちが一斉に立ち上がり銃を構える音、外からまた別の部下たちが突入する音でかき消された。
「ひっ…?!」
隣の女性のその声に、ゆっくりと立ち上がって、東がいるだろう部屋へ向かう。
当然ボーイたちの邪魔は入るが、銃に頼り切った輩など俺の邪魔になんてならない。拳で黙らせ、そのまま銃を構えて奥の部屋を蹴り開けた。
驚いた表情の東、取引相手の男、それにつく女性、そして、
「ずいぶん楽しそうなことをしてるじゃないか、A」
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ミナ都 - おもろすぎる。 (12月10日 7時) (レス) @page6 id: e9df490d0f (このIDを非表示/違反報告)
Lemon(プロフ) - 更新お待ちしております。 (2022年8月1日 11時) (レス) @page6 id: 7076d88709 (このIDを非表示/違反報告)
おいなりの申し子(プロフ) - 続きが気になります。作者様の都合自体でいいのですが、更新お待ちしております。応援してます。頑張ってください、 (2022年5月17日 15時) (レス) id: 7d5542f005 (このIDを非表示/違反報告)
醤油唐揚げ - もう更新しないんですかね?? (2021年6月1日 5時) (レス) id: fbfb5dddce (このIDを非表示/違反報告)
るあ。(プロフ) - とっても面白いです! (2020年4月14日 9時) (レス) id: ef18dc2e9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリス | 作成日時:2019年2月21日 17時