【安室透】続！ハニトラ仕掛けたら惚れられました【降谷零】 (ページ1)

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番外編超人ゴリラ彼氏ページ1

キャバ嬢の休憩がてら書きました。ふるやれーをゴリラにしたかっただけの話。

突然ですが、誘拐されました。

いやいやいやいやおかしくない？
今日は朝から零がポアロだって出かけたから、お昼の時間になったので会いに行こうと家を出た。それだけなのに、運が悪いにも程がある。
腕を後ろ手に縛られ、車の後部座席の真ん中にすわらされて、左右は悪そうな男で固められ…どうしよう。

そしてポアロの前を通りかかる直前に、偶然にも零とコナンくんがお店の前で話しているのを視界に捉え、もうここしかないとばかりに身を乗り出した。
油断した男たちはすぐに反応できないだろうと、頭を後部座席の窓にぶつけた。

「んんーーー！！」

零、と言いたかったけど猿轡を回されていてそれは叶わず。男たちに元の場所に座らされる時、目があった気がした…けど、さすがに無理だろう。
見えないよう黒いシールの貼られたガラス、きっと何か音がしたなって、見ただけなんだろう。

暴れるなと男に殴られて、痛みや悲しさやこれからどうなるのかの不安で涙がじんわりと滲み始めた時、車がどん、と大きく揺れた。

なんだろうと俯いていた顔をあげるけど、見えるのは赤信号。…赤信号で止まった時に揺れたとか？と、その瞬間。

ダンっ

「「「！？！？！？」」」
「んん！？」

ボンネットの上に、零が降ってきた。降谷零だけに…？(混乱中)
険しい表情の零とフロントガラス越しに目が合うと、更に目を細めた零は思いっきり振りかぶって、

え？待って待ってだって車のガラスって強化ガラスでそんな、そんなねぇまさかね…！？

一発目では車全体が揺れて。二発目でヒビが入り、そして三発目で、車のフロントガラスは、

「ひ、ひいいいなんだこいつ！！」

粉々になった。

ぽかんとしているうちに犯人はあれよあれよと殴り倒され、コナンくんが呼んだのだろう警察に連れていかれた。

「っAさん！無事ですか！？」
「れ、と、透…！」

素早く私を抱き上げ車から降ろし、縄を解いてくれた零に抱きつく。

「驚きました、通りかかった車から大きな音がしたので何かと思えば、泣きそうな貴方が乗せられていたんですから…」
「えっ見えたの？表情まで？」
「？はい。すぐ走って追いかけて、たまたま赤信号の長いところで車が止まって良かった…頬、殴られたんですか！？」
「あ、うん…」

私を抱きしめ、小声で一言。

「あいつら、死んだ方がマシだと思わせてやる」

うん、零には、逆らわない。