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372) 後悔 (YN side) ページ22

ユノ「ごめんな…せっかくの楽しい時間だったのに…」



はらはらと頬を流れる涙に気がついていないのか。



拭う事もしない涙はあっという間にテーブルを濡らし

慌てて頬を撫でた。




A「ごめんなさい…私、何もわかっていなかった…」



ユノ「話してないんだから、わからなくて当然だよ。出来れば話したく無かったし、聞くほうだって気持ちのいいものじゃないだろ?」



二人きりの兄弟なのに。お兄さんの予備って…



信じられないという思いと理解してあげたい気持ちとか交差する。



ユノ「小さな子供の頃はまだ良かったんだ。何もわからなかったし、仲も悪くなかった。でも小学校に上がるくらいからかな。あからさまに区別されるようになって…自分は本当の子供じゃないんじゃないかって思う時もあったよ。」



A「…」




ユノ「俺と兄貴とソヨンは幼馴染みなんだ。ずっと同じ学校で育ってきた。ソヨンの親は財閥で、財閥と親類になりたい親父の策略だったみたいだけど。」




A「ユノ…」




ユノ「今にして思えば、ソヨンにずっと片思いしていたのは、兄貴に対する敵対心だったのかもしれない。俺って酷い奴だよな。でも今はソヨンの事は妹としか思っていないし。最近になって兄貴の苦悩もわかるようになってきた。苦しんでたのは俺だけじゃないって。」



A「…お兄さんは何も言わずに姿を消してしまったの?」



ユノ「信頼している秘書には、やりかけの仕事の指示は残していったらしい。実は前々から秘書にも何も告げずに姿を消す時があって。でも何事も無かったように戻ってくるから、それほど重要な事だと思っていなかった。少し前に、兄貴に言われた事があったんだ。お前も親父と同じだなって。」



A「それって…」






ユノ「兄貴は全てに失望したのかもしれないな。今回の失踪はいつもとは違う気がしてならないんだ。」





兄貴からの電話を思い返した。一方的に攻めるような事を言ってしまった。理由くらい聞けば良かったのに。





両親に愛され、期待されて、何でも持っている兄貴が妬ましかったのかもしれない。



Aに出会って愛して愛され、そんな妬みの感情すら馬鹿馬鹿しくなった。
同時に兄貴が哀れに思えた。





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作者名:mari | 作成日時:2020年3月8日 14時

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