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354) ありがとう (You side) ページ4

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A「どう?」




チャンミン「…」






独り暮らしには大きすぎるダイニングテーブルで向き合って



味噌汁が入ったお椀を両手で挟んだまま、チャンミンが動かなくなった。








チャンミン「はぁー…美味い。ヌナも捨てたもんじゃないですね。」




A「勝手に捨てないでよ(笑)」






煮干が無いから顆粒出汁使ったし、お味噌も自家製じゃないし、お母さんと同じ味になるわけ無いんだけど…






A「ふふ… チャンミンはなんだかんだ言っても優しいね。」




チャンミン「本当に美味いですよ。俺は嘘は言いません。」




顔だけじゃなく耳まで真っ赤にしながらお味噌汁をすすっている。









A「チャンミン…色々とありがとうね。武の事も、ユノの事も。」





こんな風にあらためて面と向かってお礼を言うこともなかなか無くて。



照れ隠しにコーン茶をごくりと飲んだ。







チャンミン「武君から電話がありました。お世話になりました。姉を宜しくって。」





A「ほんとに?私には何も連絡無いけど。」





チャンミン「彼はもうヌナが考えているよりもずっとずっと大人です。何も心配することはありません。」




A「そうだね…なんか寂しいような…嬉しいような…」





チャンミン「チョンさんとも仲直りできたんですよね?しまりの無い顔して朝帰りしてきたってことは。」




A「うるさいな!元々喧嘩なんてしてないよ。今日はお休みだって言ってたんだけど、電話が沢山かかってきてて、会社に行っちゃった。」




チャンミン「なんですかそれ。惚気か?」





A「違うってば。何て言うか…ユノはきっと、私には理解できない何かを抱えてるんだろうなって。」




チャンミン「…」









今朝のユノは明らかに様子がおかしかった。




リコール騒ぎの時だって冷静だったのに。






チャンミン「まぁ…男には色々ありますよ。ましてやチョンさんは次男とはいえ経営者一族ですからね。僕たちにはわからない苦悩もあるんでしょう。」




A「…うん。」






チャンミン「チョンさんを好きなら、外野なんて気にせずにチョンさんを信じていれは大丈夫です。」





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作者名:mari | 作成日時:2020年3月8日 14時

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