376) 専務部屋2 (YN side) ページ26
社長「勝手に婚約破棄したと思ったら、次は失踪だと?俺に何の断りもなく、勝手に財閥絡みの仕事をどんどん縮小させていやがった。あいつは何を考えているんだ?まさかユンホ、お前もグルじゃないだろうな?」
ユノ「…」
兄貴がソヨンの財閥絡みの仕事を減らしてた?婚約解消だけじゃなくて、本気で距離を置こうとしていたんだ。頭のいい兄貴が後の事を何も考えずにそんなことをするとは思えない。
ユノ「とにかく。今日のところはお帰りください。それだけひっくり返しても何も出てこないなら、ここには何もありませんよ。」
社長「本当にお前は何も知らないのか?あいつが何をしようとしているのか。どこにいるのか。」
ユノ「知りません。知っていてもあなたには
話しません。」
社長「なんだその言いぐさは!!俺はお前たちの父親だぞ!」
ユノ「息子が居なくなったというのに、心配よりも部屋のあら探しなんて、普通の父親のする事ですか?警察には届けましたか?それともメンツが大切ですか?」
社長「お前!財閥との繋がりが切れたら、どれだけの損害を被ると思っているんだ!」
ユノ「政略結婚で繋ぐような縁なんて、元々たいした信頼関係じゃないんですよ。その証拠にここのところの財閥絡みの仕事は殆ど問題を起こしているじゃないですか!じいちゃんの代のように、財閥に頼らずとも経営していける健全な企業に戻すべきです!」
社長「何を!お前に何がわかる!」
ユノ「とにかく。どれだけここを探しても何も出ては来ません。今日のところはおかえりください。社長がいつまでも残っていたら、皆が帰れないじゃないですか。」
部屋を漁っていた社長の秘書たちも、遠巻きに見守っていた兄貴の秘書たちも、皆が手を止めて社長の顔を伺う。
部屋に漂う妙な空気に根負けしたのか、社長がソファーから立ち上がった。
社長「ユンホ。偉そうな口をたたくなら、ジニョクの代わりをお前がやれ。ソヨンさんとの婚約も別にお前でもかまわない。」
この瞬間、長年俺の中で渦巻いていた怒りが爆発した。
ユノ「…っ俺は兄貴の予備じゃない!あなたはいったい、俺や兄貴やソヨンをなんだと思っているんですか!! 俺達は親の道具ではない!自分の事は自分で決めます!!」
部屋の空気が一瞬で凍りつき、女性秘書たちは泣きそうな顔になっていた。
社長「行くぞ!」
さすがに居づらくなったのか、社長はSPを連れて部屋を出ていった。
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作者名:mari | 作成日時:2020年3月8日 14時