337)彼女が家へ（YN side) ページ37
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このマンションに女性を誘ったのはAが初めてだった。
正確には泥酔したソヨンを仕方なく泊めた事はあるけれど、見せたくない俺の内面をさらすようで、誰と付き合ってもここに連れてきたいと思った事は無かった。
呼んでもいないのに勝手に来て泊まるのはドンヘくらいで。
A「綺麗にしてるんだね。それに広い！私の部屋がリビングにすっぽり入っちゃいそう！」
ユノ「週に一度ハウスキーパーさんに来てもらってるんだ。片付けとか苦手で。普段はもっと酷いことになってる(笑)」
酷く色味に欠けたシンプル過ぎる部屋は、Aが居るだけでパッと華やかになった。
ユノ「お腹すいた？自炊しないから冷蔵庫には水しか無いんだ。デリバリーしてもいいし、外に行ってもいいけど。」
A「ほんと！？じゃあ、色々デリバリーしてもいい？独り暮らしだと沢山食べられないんだよ！夢だったの！」
ユノ「お安い御用 (笑)」
デリバリーのメニューは、確かここにあったはず。いつもドンヘが勝手に電話して、チラシを引き出しにしまってた。
10枚以上あるチラシを並べては、目をキラキラさせているまりが新鮮で可愛くて。
仕事中の凛とした姿とは、同一人物にはとても思えない。
A「えっと…チキンは定番でしょ？トッポッキはチーズ入りがいいかな？キンパも凄い種類がある！わー！選べない！どうしよ！」
ユノ「全部頼めばいいよ。」
いつもはその辺に投げているスーツの上着をハンガーにかけた。
結局Aは決められなかったから、俺が適当にネットで注文をした。
突然連れてきたんだから当然着替えなんて持っていない。
洗ったばかりのトレーナーと短パンをクローゼットから出してAに手渡した。
ユノ「ちょっとデカいだろうけど、着替えこれでいいかな？ あ、デリバリー来るまでにお風呂入っちゃえば？」
別にやましい気持ちなんて無かったけど、着替えを受け取りながら真っ赤になってるAを見ていたら、急に意識してしまう。
ユノ「あ、変な意味じゃないから！」
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作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
