333)気持ちのいい日2（You side) ページ33
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名前)「色々あって…絵を描くのが辛くなって描くのをやめていました。でもまた描けそうな気がしてて…」
男「そう…きっとまた描けるようになるよ。大丈夫！」
A「ありがとうございます。」
それからしばらくその男性が絵を描くのをじっと見ていた。
少しお日様が傾きかけた頃
A「そろそろ帰ります。あの…お邪魔しちゃって…すいませんでした。」
男「いや。楽しかったよ。Aさんがまた描けるようになったら、ここで会えるかな？」
A「はい。またいつか。」
男「あーでも、Aさん。バスだよね？ここってあんまりバスの本数無くて。次に来るのは1時間後だよ？」
A「えっ！？」
失敗した！すっかり浮かれて帰りのバスの時間を確認するの忘れてた！
男「僕は車だから、送って行こうか？」
A「…いえ。そんなご迷惑かけるわけには」
男「そうだよね。知らない男の車に乗るのは不安だろうから、一緒にバスを待つよ。もうすぐ陽が傾きそうだ。僕も店じまいするよ。」
※
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男「大丈夫？寒くない？」
A「はい。本当にすいません。ありがとうございます。」
イーゼルや絵の具を車にしまった彼は、代わりにブランケットを持ってきてくれた。
ふたりで並んでバス停のベンチに座る。
A「あの…本当に私ひとりでも大丈夫です。もう少ししたらバスが来ますし…」
男「いくらまだ明るいからと言っても、こんな人気のないところで女性をひとりにするわけにはいかないよ。」
A「ほんとにすいません…」
考え無しにこんなところまで一人でふらっと来てしまった自分が情けない。
A「ご家族が待たれてるんじゃないですか？」
男「大丈夫。僕を待ってる家族なんて居ないから。Aさんこそ大丈夫？」
A「はい。気軽な一人暮らしで…暫く仕事もお休みなんです。」
男「そう。羨ましいな。僕もまとまった時間が取れたら、遠くに行きたいんだけど…」
A「お仕事忙しいんですか？」
男「そうだね…何もかも放ってしまえたらと…思うよ。」
そう言って自嘲気味に笑った。
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作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
