318) 過去のトラウマ3（YN side) ページ18
.
A「私の絵が友達の人生を狂わせてしまったんだよ。」
ユノ「A…まだ高校生だったんだ。Aもその友達も正しい判断は難しかったと思う。悪いのは大人達だ。」
A「今まで誰にも言えなくて…苦しかった…」
小刻みに震えるAをぎゅっと抱き締めた。
優しいAはこの事を家族にも言えずにひとりで耐えてきたんだな。
俺は武君と初めて会ったときの言葉を思い出していた。
《姉がまだ高校生の頃、家の工場が上手くいかなくなって…姉ちゃんはは行きたかった大学への進学を諦めました。やりたい事があった筈なのに…》
武君もまた、姉を苦しめたのは自分のせいだと思っている。
10年間、誰にも言えずにひとりで耐えてきたのか。
10代で背負うには重すぎる話だった。
安藤様から夢を聞かれたとき、様子がおかしかった理由がわかった気がした。
俺の夢を支えてくれようとしたことも。
ユノ「辛かったな…」
この絵を見る度に辛い出来事を思い出していただろうに
この絵を捨てられなかったのは、本当は絵を好きだからなんだろう。
A「ジェジュンからの宿題の答えがわかった時…口では上手く表現できなくて、忘れてしまわないように咄嗟に絵を描いたの。１枚書き出したら止まらなくなって、話しかけられても気がつかないほど夢中で描いてた。」
ユノ「そうか…指はちゃんと覚えていたんだな。」
A「出来上がった物を見て…自分でもビックリして…また描けるかも、描けるかもしれないって思ったけど、描こうとするとまた手が震える…」
ユノ「A…焦らなくていいよ。全て俺に吐き出して？10年間ひとりで抱えてきたんだ。吐き出して楽になれば、きっとまた描けるようになる。今度はAの夢を俺に応援させて？」
A「夢？」
ユノ「そう。夢だろ？今から画家を目指すのもいい。自分の為だけに書いたっていいんだ。立派な夢だよ。」
.
319) 過去のトラウマ4（YN side)→←317) 過去のトラウマ2（YN side)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 286人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
