309) 俺が悪い（YN side) ページ9
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ドンヘ「なんだ？喧嘩でもしたのか？」
ユノ「…してない。」
まともにAの顔が見れなかった。
いや、情けない自分の姿を見られたくなかったというべきか。
俺たちの話に入らずに、ずっとうつむいていたのはわかっていたのに。
ドンヘ「ついさっきまで楽しそうにしてたのに、急に顔色悪くなって変だろうが！！お前何かしたのか？」
ユノ「…」
武「俺…ちょっと姉ちゃん見てきます。」
ユノ「いや…いい。俺が行くよ。」
立ち上がった武くんを制止して、自分が立ち上がった。
チャンミン「チョンさん。確かにヌナはお人好しの大バカ野郎ですが、あなたを裏切るような事は何もしていませんよ。」
一人だけ、やけに冷静なチャンミンがじっと俺を見据えて呟いた。
ユノ「わかってる…」
よくわかってる。
俺が勝手に妬いているだけ。
寛大なふりをしてとっくに越えた我慢の限界を認めたくなかっただけだ。
Aにやつ当たりするなんて、俺は最低だ。
※
※
ちいさな店のトイレにはAは居なかった。
帰ってしまったのかと慌ててエレベーターのボタンを押すと、エレベーターの奥にある非常階段の扉が少しだけ開いている。
重たい扉を少しずつ開けると、階段の下には丸まって座るAがいた。
ユノ「A…」
俺の声に気がついて顔をあげると
A「ごめん…直ぐに戻るね。」
目を合わさずに立ち上がって俺の横を通りすぎようとする。
ユノ「…っ」
たまらず抱きしめた。
ユノ「ごめん、A。俺が悪いんだ。」
.
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作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
