303) 怒り（YN side) ページ3
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ソヨン「真面目そうな顔して…芸能人と二股かけるなんてとんでもない女だわ。」
ユノ「やめろ。俺は見ない。持って帰れ！」
ソヨン「ユノ！現実を見て！」
突きつけられた封筒を手で払うと、床に写真がばらまかれた。
足元に落ちた写真には、確かにキム・ジェジュンとAが写っていた。
ユノ「っ…」
ソヨン「それは昨日撮ったものよ。チェ・シウォンというカメラマンの自宅から二人で出てきたって。男のほうは変装してるけど間違いなくキム・ジェジュン。助手席にいるのはAさんよね？」
確かに。
二人で車に乗り込む所から、車が発進するところまでの写真が何枚も撮られている。
これは…Aの会社の車？
どうしてキム・ジェジュンが運転を？
ただ、Aの表情は終始冴えなくて。全然笑っていない。
ソヨン「ね！わかったでしょ？ユノ！ユノは騙されてるのよ！」
ユノ「ソヨン。もうやめろ。Aとキム・ジェジュンは今、一緒に写真集の仕事をしてるんだ。そんな事は俺だって知ってる。こんな写真何の証拠にもならない。」
ソヨン「報告書を良く見て！車が向かった先はAさんのマンションよ？それでも仕事だけの付き合いだって言うの？」
再び突きつけられた調査報告書には行き先はAの住むマンションとなっていた。マンションの地下駐車場に入っていく写真も撮られている。
ソヨン「ユノ！」
ユノ「…ソヨン。もうやめろ。俺はAを信じてる。お前が何を言っても気持ちは変わらない。頼むから失望させないでくれよ。」
ばらまかれた写真を拾い上げ、報告書と一緒に破り捨てた。
ソヨン「そんなにAさんがいいの…？どんなにユノがAさんを好きでも二人は一緒になんかなれない！」
ユノ「…」
ソヨン「ユノのお父様やお母様が許す筈無いわ！交際相手が日本人の…しかも一般家庭の子だなんて。」
ユノ「いい加減にしろ！ソヨン。出てってくれ！」
頭に血がのぼっていた。
ソヨンの肩を掴んで、無理やり部屋の外に追い出して扉を閉めた。
ソヨン「ユノ！！」
扉の外から聞こえるソヨンの声も聞こえなくなり、やがて気配も無くなった。
破り捨てた写真と報告書を拾い上げ、バラバラになった紙くずをまじまじと見据える。
部屋には残して置けない。
俺は千切れた写真と報告書を封筒に戻し、鞄に入れて部屋を出た。
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作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
