259)悪魔の微笑< You side> ページ9
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pull pull pull …
A「ダメだ…繋がらない。もう何処に行っちゃったの？」
シウォンさんに電話をしても全然出ない。
こういう時にマネージャーやアシスタントが居ないと本当に困るんだ。
滞在していたホテルは既にチェックアウトしていた。
夜の便で出国する可能性もあるから、念のためチャンミンは空港に行っている。
シウォンさんが立ち寄りそうなところもわからない…
カメラを壊してしまっただけじゃない。もし撮影したデータが全て消えてしまっていたら…
今更ながら、起きていることの深刻さに震えてしまう。
西村さんからはまだ何も連絡は無い。
ジェジュンのスケジュールを考えたら、撮り直す時間なんて絶対にない筈。
待つこと2時間。
外はすっかり暗くなって、空港でシウォンさんを捕まえたと連絡があった。
※
※
※
シウォン「…で？俺の大切なカメラは？」
A「西村さんが修理に…データも無事かどうかまだ…本当に申し訳ありません！！」
チャンミンに事情を聞いてホテルに戻ってきたシウォンさんにひたすら謝る。
西村さんがカメラを持ち込んだ修理やさんが一生懸命頑張っていれているらしいけど
あまり流通していない珍しいカメラだったから苦戦しているようで。
シウォン「お前、ずっと俺のアシやってて、どれだけあのカメラを大事にしていたか知らないわけじゃないだろう？」
A「…はい。」
シウォン「なのに、何でこんな事になっている？」
チャンミン「シウォンさん…それは…」
A「私の責任です。本当に…申し訳ありません！」
何度も何度も頭を下げた。謝って許される事じゃないけど…
pull pull pull …
チャンミン「西村さんからです。もしもし…」
電話に出たチャンミンの表情が次第に曇る。
ああ、データはダメだったんだと思った。
チャンミン「…わかりました。では。」
電話を切ったチャンミンはふぅーっとため息をついて
チャンミン「何枚かは駄目だったようですが…大半のデータは残っていたようです。カメラも時間がかかるけど修理可能だと。」
A「…よ…よかった」
腰が抜けてへたりこんだ私を見下ろして
シウォン「これで済まされると思って無いだろうな」
シウォンさんがニヤリと笑った。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年11月4日 1時
