･･:*:･Chandelier それぞれの愛し方 6･･:*:･ (ページ7)

今日:4 hit、昨日:13 hit、合計:106,264 hit

257)兄貴< YN side> ページ7

.

「ですから我々は反対したんです！」

緊急会議は予想以上に荒れた。

ソヨンの父親の財閥との付き合いで取引をした会社が不良品のストーブを製造し、販売元の我が社がリコールをかけなくてはいけなくなった。

知らずに使っていると出火する可能性もあって、緊急性が高いもの。

反対していた人達はここぞとばかりに親父と兄貴を責め立てる。

最初からリスクの高い会社だとわかっていたのに、押し通したのは社長と専務だったから。

商品の保証や、リコールの告知などでかかる金額ははるかに想像を越えたもので、損害額は数億にものぼった。

社長「損害額は全てを財閥が保証すると言ってくれているんだ。何をそんなに騒ぎ立てる！？」

「我が社のイメージダウンは免れません！株価だってもう落ちはじめているんですよ！」

反対派の人達の言う事はもっともだ。金の問題じゃない。
こういった時にその企業の真価を問われるんだ。

ジニョク「皆さんの仰る事はごもっともです。ご迷惑、ご心配をおかけしてお詫びします。ですが今は最善の対策を考えるほうが先です。少しでも事故を防げるようにお知恵を貸して頂けませんか？」

深々と頭を下げる兄貴に皆が驚いて固まった。

30年近くも一緒にいる俺でさえ、兄貴が他人に頭を下げる姿を見たことが無かったから。

「専務がそう仰るなら…」

「各部門に戻ってそれぞれ対策を練ります。」

皆が部屋を出ていって、親父と兄貴、俺だけが会議室に残された。

いつもだったら、俺も直ぐに出ていく所だけど、今回ばかりはそうも行かない。

社長「あいつら、誰に向かってあんな口を！！」

この期にに及んでまだ非を認めない親父に

ジニョク「お父さん。皆さんに協力してもらわなければ、このピンチは乗り切れません。」

兄貴が被せた。

ジニョク「ユンホ。お前にも迷惑をかけてすまない。」

ユノ「…俺も直ぐに動くよ。卸した先のリストをくれ。購入者をあたる。」

ジニョク「頼む。それと…ソヨンとの婚約式は延期にします。このタイミングで婚約式なんかしたら、マスコミの格好の餌食になる。お父さん、いいですよね？」

父「仕方があるまい。だがソヨンとの婚姻は絶対だ。私の顔に泥を塗るなよ！」

ジニョク「…わかっています。」

兄貴の様子がおかしかった事をもっと気にしていればよかったんだ。