294)兄貴1<YＮ side> ページ44
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Aと駅で別れて。
後ろ姿を見送って、Aとは反対の方向に歩き始めた。
いつもは歩かないこの道を会社に向かって歩いていると
「お、おはようございます！」
「わ、チョン部長！おはようございます。」
足早に歩く社員達に気付かれて驚かれる。
ユノ「おはよう。みんな早いな。」
「今日はどうされたんですか？電車で出勤されるなんて珍しいですね。」
ユノ「いや…たまには」
彼女の家から出勤したなんて言おうものなら、あっという間に噂は広まるだろう。
こんな時でなければ俺はかまわないけど。
会社に到着して自分の部屋に入ると
秘書「部長？おはようございます。どうかされましたか？こんなに早くに。」
ユノ「あー…目を通しておきたい書類があって…」
秘書「どちらの案件のものでしょうか？お持ちいたします。」
ユノ「いや、いいよ。手元にある。それよりコーヒーを貰えるかな？甘めのやつ。」
秘書「かしこまりました。」
例のリコール騒ぎはありとあらゆる方法を使って告知をし、どんな小さなものでも誠実に対応したことにより、騒ぎは終息しつつあった。
韓国の企業ではしないようなケアを約束する事で、かえって会社の評判は上がっている程だ。
株価も少しずつだけど戻りつつある。
秘書「お待たせしたしました。」
秘書がいれてくれた甘めのコーヒー。本当はもっとミルクたっぷり入れて欲しいところなんだけど。
俺が甘いカフェラテが好きなのは、Aとドンヘくらいしか知らない。
ユノ「ありがとう。騒ぎもだいぶ落ち着いてきたみたいだし、君も休んで？ずっと休み無しで対応してくれていただろう？」
秘書「いいえ。部長ほどでは。部長こそ少しお休みされてはいかがですか？」
そうだな。
俺が休まないと皆も休めない。
ユノ「僕も少し休むよ。皆も交代で休むように言ってくれる？」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年11月4日 1時
