282)榊さんの苦言1<YＮ side> ページ32
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《今日は早めに帰れそう！》
Aからのメールに年甲斐もなく心が踊る。
こちらの電話対応もだいぶ落ち着いてきた。この調子なら俺も早めに帰れそうだ。
《お疲れ様。調子はどう？俺も早めに帰れそう。Aの家に行くよ。》
あの騒ぎでAのマンションの暗証番号を変えた。勿論、俺の誕生日に。
こんな小さな幸せに口元が緩む。
早く帰れるなら、一緒に食事に行けるかな。
どこかいい店は無いか？
ドンヘに聞いたらあいつも付いてくると絶対に言うだろうから聞けないし。
リサーチしておけば良かったと心底後悔した。
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A「ごめんね…ユノ。」
ユノ「いいんだよ。シムさんにお礼しないといけなかったし、榊さんにも会いたかったから。」
俺は今、古びた韓国料理屋にいる。
シムさんの帰国で、急遽打ち上げとなったらしく良かったら一緒に…と言う榊さんの一言で。
榊「さ、チョンさんもどうぞ！」
ユノ「ありがとうございます。」
Aの話では、榊さんはAが韓国に来るきっかけを作った人だ。
そういう意味では恩人だから。
チャンミン「チョンさん、すいません。榊さんがチョンさんに会わせろってきかなくて。」
榊「こいつのご両親から大事な娘を預かってる身としては、ちゃんとしないといけませんから。」
A「榊さん、もう私子供じゃないんですから！」
チャンミン「子供より世話がやけますけどね。ヌナは。」
A「う…」
ユノ「ﾌﾟｯ(笑) ご挨拶が遅れて申し訳ありません。Aさんとお付き合いさせて頂いています。チョン・ユンホです。」
チャンミン「榊さん、心配しなくてもチョンさんの事はヌナのご両親もご存知で。公認の仲です。」
A「公認って…(笑)」
榊「何も反対しようっていうつもりはありません。でもAは日本人です。いつまでもこの国にいるとは限らない。」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年11月4日 1時
