254)事件1< YN side> ページ4
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さっきまでの憂鬱が嘘のようだった。
Aの声を聞いて、帰ってくると聞いただけで天にも昇る気持ちになる。
ユノ「何時の飛行機だろう？明後日は会議は全てキャンセルだ。」
答えてくれる相手もいないのに、そんな事を声に出してみる。
ドンヘが居なくて良かった。何を言われるかわかったもんじゃない。
秘書課に連絡をいれようと内線電話の受話器を取ろうとした瞬間
pull pull pull …
突然鳴り出した電話に驚きながらも、冷静を装って電話に出る。
ユノ「はい。チョン・ユンホです。」
※
※
※
電話の要件は緊急会議の招集の連絡だった。
この後2時間後、社長以下役職付きが呼ばれている。
ユノ「いったい何事だ？」
ドンヘはまだ会社のどこかにいるか？一番の情報通のあいつなら、何か知ってるかもしれない。
直ぐにドンヘに連絡をして、用件を伝えた。
《わかった。探ってみるよ。待ってろ。》
30分もするとドンヘから電話がかかってきて
ドンヘ「わかったぞ。前にソヨンの父親の財閥との付き合いで、取引開始した会社があっただろ？その会社の社長が逮捕されたんだそうだ。」
ああ…
確か少し前に退屈な会議に出た気がする。
役員たちはこぞって反対していたけど、親父と兄貴が押し通したんだった。
俺は全く興味が無かったから、関わらなかったけど。
ユノ「で、損害額の試算は？」
ドンヘ「そこまではわからない。でも問題になるだろうな。リスクがあるとわかっていた所と反対を押しきって取引したんだ。責任を問われるかも知れないぞ。社長も専務も。」
めんどくさい事になった。
親父と兄貴はいいとして、多額の損害を会社に与えたとなれば、役員連中だって黙っていない。
株主たちだってそうだ。
ユノ「ありがとう、ドンヘ。今度、奢るから。」
ドンヘ「お前も気を付けろ。いくら関わって無かったとは言え、創業者一族には変わりないんだからな。」
ユノ「わかってる。」
Aが帰ってくるまでにはなんとか片付けたい。
でもそんなに簡単にはいかなかったんだ。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年11月4日 1時
