276)嫉妬< YN side> ページ26
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A「ひとりじゃ何も出来なかった。ジェジュンに指名されてこの仕事受けて…色眼鏡で見られていた事もよくわかってた筈なのに…シウォンさんにまで迷惑かけてしまって…毎日プレッシャーに押し潰されそうだった。」
ユノ「…」
A「撮影中はまともに食事も取れなかったし。体力も限界だった。ジェジュンはそんな私を見るに見かねたんだと思う。だから私を自分の事務所にって誘ってくれたのかな。」
そうじゃない。
あいつはAを側におきたいだけなんだよ。
喉元まで出かけた言葉をグッとおしこんだ。
ユノ「Aはどうしたいの？今の仕事辞めたいのか？」
A「それは無いよ！ちゃんと断ったし。大変だけど今の仕事は好きだから。」
くっついていた体を更にぐっと引き寄せる。
Aが辛かった時に側にいたのが俺じゃないなんて。
ユノ「ごめんな。側にいてやれなくて。」
A「違うよ！ユノがいたから！ユノがいてくれたから最後まで頑張れた！ユノがいなかったら…」
ユノ「…」
A「ユノがいなかったら…」
その後Aは何も言わなかった。
空がしらみ始めたみたいだ。
カーテンの隙間からは陽の光がチラチラと覗いている。
結局ゆっくりと休ませてやることが出来なかったな。
ユノ「今日くらい休む事は出来ないのか？」
A「スケジュールがおしてて…チャンミン帰ってきたら直ぐに打ち合わせかな。」
ユノ「熱は下がったみたいだけど…」
A「たくさんユノを充電したから…もう元気だよ！ユノこそ、寝てないのに大丈夫？」
ユノ「俺もAを充電したから。でもまだ足りない。」
A「わっ！」
一瞬でAに覆い被さってキスの雨を降らせた。
自らの不安を打ち消すように。
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ユノ「決めた！暫くはここに帰ってくる。」
A「え？」
着替えてすっかり仕事モードでコーヒーをすする。
ユノ「お互い忙しいからな。そうでもしないとまたすれ違ってなかなか会えない。俺はパソコンと電話さえあればどこでも仕事は出来る。いい？」
A「うん。いいよ！ここで待っててくれたら会えるね！しばらく毎日会えるなんて嬉しい！」
Aの体が心配だったのは勿論だけど、離れていたら俺自身が嫉妬に狂いそうで。
今更ながら俺ってこんな奴だったかと思う。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年11月4日 1時
