265)まっすぐ< YN side> ページ15
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ソヨン「私は…ユノがいい。」
真っ青な顔で俺にすがるように。
1年前の俺だったら迷わず抱きしめていただろう。
ユノ「…ソヨン。すまない。俺には大切な人がいる。」
ソヨン「…もう私の入る隙間は無いの？」
ユノ「…愛してるんだ。彼女を傷つけたくない。今まで通り幼なじみとして…いや、義理妹としてソヨンの幸せを願うよ。」
ソヨン「嫌よ！こんな気持ちでジニョクオッパと結婚なんて出来ない。うちの財閥とユノの会社との提携のための結婚なら、ユノと私だって…」
ユノ「そんな事言うな。少なくとも子供の頃から兄さんの事を好きだったんだろ？俺はずっと側でお前を見てきたからわかる。それを今になって…」
ソヨン「だったら最初からやり直せばいい！まだ私達結婚してないんだもの！パパに言えばまだいくらだって…」
ユノ「ソヨンやめろ。結婚って…そういうものじゃ無いだろ？」
ソヨン「もうダメなの…？じゃあ結婚なんてしなくていい。せめて…他の人のところに行かないで…」
ユノ「…ソヨン」
お嬢様育ちでプライドが高いから、大人になってからソヨンの泣き顔なんて見たことは無かった。
でもソヨンの泣き顔を見ても不思議と俺は冷静だったんだ。
初めて出会った日の、Aの泣いた顔を思い出していた。
あの日、俺たちはお互いに愛した人と決別をした。
Aがどのくらいキム・ジェジュンを愛していたか
どんな覚悟で別れを決めたのか、Aの涙が物語っていた。
真っ直ぐな愛が美しいと思った。
それに比べて俺は。
今となっては真っ直ぐにソヨンを愛していたという自信が無い。
ユノ「…送るよ。車を回す。ちょっと待ってて。」
内線で会社の車を玄関に回して貰うように頼んだ。
外は報道の記者と野次馬でいっぱいだから、財閥令嬢で顔の知られたソヨンをひとりで帰す訳にはいかなかった。
まさかその光景をAが見ていたなんて夢にも思わなかった。
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266)胸騒ぎ1< YN side>→←264)今見た光景< You side>
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作者名：mari
| 作成日時：2018年11月4日 1時
