261)見送り< You side> ページ11
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チャンミンは真っ直ぐに前を見据えて無言で運転していた。
何でこんな事になってしまったのか展開が急過ぎて、夕べは一睡も出来なかった私も思うように言葉が出てこなかった。
後部座席で黙りこむ私に、助手席の西村さんが振り向いた。
西村「A。本当に悪かったな。ユリは自分がカメラを落とした事を認めたよ。」
A「落とした？」
西村「お前のカバンから部屋の鍵を盗んで…本当は全部データを消そうとしたらしいんだが途中で怖くなって…動揺してるうちにカメラを落としたらしい。」
A「そうですか…」
だから、修復可能な程度で済んだのか。床に叩きつけていたらあんな破損ではすまないもんね。
西村「お前に申し訳無いと…言ってたよ。」
A「…はい。」
西村「取り出したデータはこれだ。シウォンさんに渡してくれ。」
A「わかりました。」
西村「カメラは修理が終わり次第、ユリに届けさせる。自分でシウォンさんに本当の事を話して詫びさせるから。」
A「そうですか…あの…ユリちゃんはどうなりますか？」
その瞬間、バックミラーを見たチャンミンと目が合ってしまって。
呆れを通り越して怒ってる。
でも聞かずにはいられなかった。
西村「これからの事は本人に委ねるよ。解雇になっても仕方の無いことをした。辞めるにしても続けるにしてもどちらもあいつにとっては苦しいさ。」
A「そうですか…」
これ以上口を出してはいけない気がした。
西村さんも傷ついているのがよくわかったから。
※
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チャンミン「チョンさんには連絡したんですか？」
西村さんと駐車場に残して、チャンミンが出発ゲートまで送ってくれた。
A「うん。忙しいと思うからメールだけ。」
チャンミン「ったく！考えすぎなんだ！ヌナは！」
うっ…そんなに怒らなくてもいいのに…
ここでシウォンさんと待ち合わせ。
ブツブツ言っているチャンミンの背後から、シウォンさんがゆったりと歩いてくるのが見えた。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年11月4日 1時
