245) 兄貴< YN side> ページ45
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兄貴は約束を守った。
俺を襲ってドンヘが身代わりになったあの事件の事は一切表に出さず、ユン家が行ってきた数々の不正を調べあげて、ソヨンの財閥からも、親父の会社からも手を引かせた。
表向きはユンのほうから手を引いた形になっているから、こちらが非難されることも無い。
一体、どんな手を使ってユンを納得させたのか。
ドンヘ「あー腹減ったなぁ…」
ユノ「おい。なんでここに出勤してきてるんだ？」
ドンヘ「だってまだ療養休暇中なのに、営業部のオフィスにいたら仕事しなくちゃいけないしー」
ユノ「だったら家でゆっくり療養しろよ！」
ドンヘ「だって食い物も尽きたしー。ひとりは寂しいだろ？」
ユノ「…ったく。出前とってやるから、それでも食ってろ！」
退院して数日。ひとりで歩けるようになったドンヘは、フラりと会社にやって来た。
ドンヘ「あぁー そう言えばさ。ジニョクさんが訪ねてきた。」
ユノ「兄貴が？！お前んちに？」
ドンヘ「お前を助けてくれた礼を言いにわざわざさ。たんまり見舞金もくれようとしたんだけど、さすがにそれは断った。お前に殺されそうだし。」
ユノ「…」
ドンヘ「ぺーぺーの俺に、深々と頭下げてたよ。これからも弟を頼むって。」
ユノ「一体なんのつもりだよ…」
ドンヘ「言葉のままなんじゃないのか？お前たち、どこですれ違ったのかは知らないけど、昔は仲のいい兄弟だったんだろ？ソヨンへの片想いが終わったなら、兄貴と向き合ってみたら？」
ユノ「…食ったら帰れ。俺は忙しい。」
ドンヘ「はいはい。ところで、明日シウォンがこっちに戻るらしい。ってことは撮影は今日までだろ？Aちゃんも少しは時間が出来るんじゃないのか？」
ユノ「…そうなのか？」
ドンヘ「なんだよ。聞いてないのか？」
すっかりすれ違いの生活になってしまって、メールのやり取りと言えば、《おはよう》と《おやすみ》くらい。
少しでも多く眠ってもらいたくて、夜中の電話も控えているし。
撮影が終わるなら一言教えてくれればいいのに。
ドンヘ「大変なんだろうなぁー シウォン我が儘だから。撮影スケジュールも相当巻いたらしいし。スタッフは振り回されてるんじゃないのか？ところでお前、客室乗務員を紹介する話、忘れてないだろうな？」
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246) 偽モデル1< You side>→←244) シウォンさんの企み< CM side>
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作者名：mari
| 作成日時：2018年7月7日 0時
