221)待ち焦がれていた電話<You side> ページ21
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pull pull pull…
あれだけ待ち焦がれていた電話なのに、何だか出るのが怖い。
留守電に切り替わる直前にタップした。
A「もしもし？ユノ？」
ユノ「…A…おはよう。昨日は…ごめん。電話に出られなくて…」
A「ううん。いいの。明け方になっちゃったし、きっと眠ってると思ってたから。」
ユノ「ごめんな。帰ってきたのも遅くて…思っていたより疲れてたみたいで…」
やっぱり何か様子がおかしい。少し声が震えているような…
A「ユノ？どうかしたの？」
ユノ「どうもしないよ。Aの声を聞いたら少し元気が出た(笑) Aは？撮影は順調？」
A「うん。今のところはスケジュール通りに進んでるよ。やっぱりシウォンさんは凄いの。学ぶところが沢山あって…」
ユノ「そうか…」
A「早く終わらせて、直ぐに帰るからね。」
ユノ「あぁ…待ってるよ。あいつは…ジェジュンは…」
A「…彼はプロだから。撮影中にプライベートの話はあまりしないよ。」
ユノ「ごめん…変な事言って…待ってるから…早く帰って来い。」
疲労が隠せないユノの声に、
A「ユノ…もう少し眠って？」
そう言って電話を切るのがやっとだった。深く聞いたらいけない気がして。
もしかしたら体調が悪いのかもしれない。
ドンヘさんに電話をかけても、電源は入っていなかった。
A「どうしたの…ユノ…」
スマホを抱いたまま立ちすくんでいると、
母「A？チャンミン君が待ってるわよ。どうかしたの？」
A「あ、ううん、何でも無いよ。お母さん行ってきます。」
母「気をつけて。今度は夜にでもチャンミン君を連れてきなさい。美味しいお肉買っておくわ。」
A「うん。早く終わる日があったら連絡するから。」
パタパタと階段を降りて玄関に行くと、チャンミンは靴を履いて待っていた。
チャンミン「タクシー呼びましたから。」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年7月7日 0時
