182)独占欲<YN side> ページ32
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普段から風呂に時間をかけるタイプではない。
さっさと洗って出てきたら、Aがタブレットを見て神妙な顔をしているから
ユノ「何を難しい顔してるの？」
声をかけた。
A「チャンミンからの連絡を確認してたの。明日はカメラマンさんと初顔合わせで。凄く有名な人らしいんだけどね。」
ドンヘの知り合いのカメラマンか。。俺がシムさんに紹介したのはAは知らない筈。
ユノ「ふーん…」
さも興味無さげな返事をする。
A「気難しい人じゃないといいなぁ…チャンミンにも寝坊するなって釘刺されちゃった。」
寝坊するなって言うのはそういう意味じゃないと思うけど。
わかってるよ。
朝まで寝かさないなんて事はしない。
A「ユノ、髪の毛乾かす？」
ユノ「大丈夫。時間が勿体ないから、Aも早く入っておいで？」
A「うん。風邪引くからちゃんと乾かしてね？」
ユノ「ゆっくり入っておいで。」
Aをバスルームに見送って、自分のスマホを取り出した。
シムさんに御礼のメールをするため。きっと彼はAの代わりに仕事をしているだろうから、電話で無くて敢えてメールで。
《シムさん。今日はありがとうございます。このお礼は韓国で。あと2週間、Aを宜しくお願いします。》
送信。をタップすると直ぐに返信が返ってきた。
《韓国に帰ったら奢って下さい。》
たった1行だけの返信でもシムさんの温かさを感じさせる。
彼とはいい友人になれるんじゃないかと思った。
世界的に有名なカメラマンというチェ・シウォンという男。
少し調べてみたけれど、カメラマンとしての腕は勿論、世界の美男子ランキングにエントリーされるほどのイケメンとか。
しかも、ネット情報では《変わり者》と。
ドンヘの知り合いなら下手な事はしないと思うけど。
キム・ジェジュンといい、チェ・シウォンといい、シムさんだって結構ないい男だし、心配は尽きない。
俺ってこんなに独占欲の強い男だったか？
自分すら知らなかった一面を見た気がした。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年4月19日 23時
