177)似たもの同士<YN side> ページ27
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それは初めて会ったあの日にAが置いていったメモ。
連絡先も聞かずに別れたけど、また会えるようにってお守りがわりに財布にいれていた。
こうして恋人になってからも捨てられなくて。
ユノ「あー…それはー…」
穴があったら入りたい。
A「これって…私があの時書いた？」
ユノ「…うん。そうだよ。お守り代わりに持ってた。」
A「お守りって？」
ユノ「Aにまた会えるように。それに過去を絶ちきって前を向いて進めるように。これがあったから昔の恋も忘れられた。」
A「ユノ…」
ユノ「Aが変にあの夜の事を引きずったり責任を感じたりするのが嫌だったから連絡先も聞かなかったけど、その後凄く後悔したんだ。」
A「…」
ユノ「出よう。少し歩かない？」
会計を済ませて外に出ると、外はもう人もまばらで
アルコールのせいか火照った体に冷たい空気が気持ちよい。
ホテルまでは歩けない距離じゃないから、Aの手をつないでゆっくりと歩き出した。
ユノ「あんな風に出会ったし、Aがもしも前の恋人を吹っ切れなかったら、きっと俺の存在は重荷になると思って…」
A「私も。連絡先を残したらきっとユノは責任を感じるんじゃないかと思って…だからメモにそれだけを…」
ユノ「プッ…やっぱり俺達、似た者同士だな(笑)」
A「会ったばかりの人に…変かもしれないけど…温かいユノにすがりたくなったのかもしれない。散々泣いて抱きしめてもらって頭が真っ白になって…そのおかけで前に進めた。」
ユノ「…」
A「ありがとう…ユノ。」
礼を言うのは俺のほうなんだよ。
あの日、Aに出会って、永年の呪縛から解放された。
ソヨンからも兄貴からも。
ユノ「俺達また会ったのは運命だったんだよ。ソウルの人口は何人だと思う？ 再会したのは偶然じゃない！」
A「ふふっ…そうだね(笑)」
しばらく歩いてホテルが近づいて来たとき、小さな公園を見つけた。
ベンチとブランコしかない小さな公園。
A「わー！懐かしい！ブランコがある！乗ってもいい？ユノ！」
ユノ「いいけど…酒飲んでるからな。気をつけて？」
ブランコを見つけてはしゃぐAが可愛くて
ふたつあるブランコに並んで座った。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年4月19日 23時
