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093)私の夢1<You side> ページ42

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安藤「さて。では仕事の話をしようか。」




美味しい料理に会話も弾んだ。雰囲気も良くなって固さが抜けたところに、安藤様の一声で全員に緊張が走る。





ユノ「安藤様。本契約の前に、お話しておきたい事があります。」




話を切り出したユンホさんの言葉を、正確に安藤様に伝えるのに、神経をを研ぎ澄ませ耳を傾ける。




一言一言、丁寧に言葉を選んでユンホさんは話をする。





ユンホさんは本当に安藤様が好きで、一緒に仕事がしたかったんだろう。この契約をどれだけ熱心に進めていたか、打ち合わせをしていてよくわかった。




ビジネスを越えた信頼関係みたいなもの。




でも、そんな相手だからこそリスクを隠して契約する事なんて出来なかったんだと思う。






ユノ「財閥との業務提携の話はまだ公式には発表されていません。でも、必ず近いうちに発表されます。リスクを負う可能性がある以上、契約の延期や中止もやむ無しと思っています。」




しっかりと、はっきりとした言葉でユンホさんは言い切った。でも膝の上に置いたユンホさんの手は震えていた。



隣に座っていた私だけが見えていたかもしれない。




悔しさと悲しさと。両方が入り交じった感情なのか。





ユンホさんの言葉を通訳するのが段々と苦しくなってきた。









安藤「…君たちを今日、ここに連れてきた理由がわかるかい?」




止まった時間を動かすように安藤様が話を切り出した。




安藤「はははっ!まぁ、そう固くならずに。ここの料理はどうだった?」




ドンヘ「とても美味しかったです!」


朴「はい。彼の創作料理なんでしょうか?」




ユノ「なんと言うか…とてもここが温かくなりました。」




ユンホさんが自分の胸をおさえてそう言った。






聞けば、シェフはここをひとりでやっている切り盛りしていると言う。私達と変わらない年頃なのに。

ご両親を事故で亡くされて進学を諦めたところに、安藤様との出会い。






安藤「彼の夢はシェフだった。有名なシェフになりたいんじゃない。心を温かくする料理が作りたいと彼は言ったんだ。どうやら彼の夢はかなったようだね。」




安藤様が私達をここに連れてきた理由がわかったような気がした。




安藤さまが私たちに聞きたかったこと。






安藤「君たちの夢は?」



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作者名:mari | 作成日時:2018年1月31日 23時

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