092）ユンホさんの夢<You side> ページ41
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〜2時間前〜
ジェジュンを見送って時計を見たら16時。
慌ててユンホさん達と待ち合わせたロビーに向かった。
A「遅くなってすいません！」
ユノ「慌てなくて大丈夫。じゃあ、打ち合わせ始めようか。」
ユンホさんがニコッと笑う。
ドンヘ「安藤様の事、改めて色々と調べてみたんだけどさ。話の切り口になるようなネタは見つからなかった。」
ユノ「仕方ないよ。安藤様は経営者には珍しくきっと表裏の無い方なんだ。下手に小細工するのは逆効果かもしれない。」
ドンヘ「だからってさぁー 当たって砕けちゃったら今までの苦労が水の泡だろ？お前の夢も叶わないんだぞ？」
ユノ「諦めた訳じゃない。いつか必ず実現してみせる。」
そうは言うものの、ユンホさんの表情は冴えなくて。
いつもは大きな背中も少し小さく見えた。
A「あの…ユンホさんの夢って…？」
他人の私が聞くべきでは無かったのかもしれないけれど、つい口を挟んでしまった。
ドンヘ「こいつはね、世界中の恵まれない子供達の為の財団を作ろうとしてる。」
A「財団…ですか？」
ドンヘ「大学の頃さ、二人でいろんな国へボランティアに行ったんだ。その時に見た光景が忘れられなくてさ。」
ユノ「祖父が俺に残してくれた不動産が少しだけあるんだ。それを元手にって思ってたんだけどね。世間的信用も薄い俺達だけではなかなか厳しくて。パートナーになってくれる人を探してるんだ。」
A「そうだったんですね。」
ユノ「ごめんね。隠すつもりは無かったんだけど、なかなか言いづらくて…」
照れたようにポリポリと鼻を掻いた。
ドンヘ「ま、ここまで来たんだ。今さら引き返せないし。なんとかなるさ！」
ユンホさんとは反対に、楽観的な物言いをするドンヘさんだけど…
本当に何とかなりそうな気がするから不思議。
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待ち合わせのレストランに向かう道すがら、当時小学生だった朴さんの息子さんが事故で亡くなっていた事や、ドンヘさんはお父様を亡くされて苦労して育ったとユンホさんに聞かされた。
決して裕福では無かったけれど、温かい家族の中で育った私は、いつの間にかそれが普通だと思ってたのかもしれない。
何の目標も夢も無くて。
ユノ「Aさん？どうかした？」
A「いえ…」
何だか自分が恥ずかしくなった。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年1月31日 23時
