091）俺たちの夢3<YN side> ページ40
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安藤「君たちの夢は？」
空気が止まる。誰も何も発しない。
Aさんを見ると安藤様をじっと見たまま固まってしまっていた。
慌てて朴さんが通訳してくれる。
朴「君たちの夢はなに？と仰ってます。」
Aさんがハッとして、俺に小声で「すいません…」と告げた。
大丈夫…そう唇だけを動かした。
安藤様が俺達に聞きたかったのは志しの強さだ。でも安藤様をスポンサーのように思っていた俺にそれを語る資格はない。
ユノ「…今の私には…夢を語る資格はありません。」
安藤「…ではAさんは？」
A「私は…」
じっと一点を見て考えていたAさん。
ぐっと顔をあげて
「◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇」
真っ直ぐに安藤様の目を見て、日本語で何かを言った。
その時は朴さんも黙っていて、Aさんが言った事を通訳しなかったから、Aさんが何を言ったのかわからなかったんだ。
安藤様とAさんの日本語の会話はしばらく続いたけど、朴さんはそれを訳そうとはしない。
ドンヘも困った顔をしている。
不思議に思って朴さんの顔を見てもニッコリと笑うだけ。
安藤「君たちの話はよくわかった。契約の件は予定通り進めるよ。」
ユノ「安藤様…本当に宜しいのですか？」
安藤「私も経営者の端くれだよ。君の会社の事はそれなりに調べさせてもらってる。君が一族だと言うことも最初からわかってた。」
ユノ「…申し訳ありません。隠すつもりは無かったんですが…」
安藤「わかってるよ。そんなものを武器にしたくなかったんだろう？私はね、付き合う会社との契約は人を見て決める。アルバイトの面接と一緒なんだよ。」
ユノ「…」
安藤「人を見る目はあるつもりだ。君たちと一緒に仕事をしたくなった。それだけだよ。」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年1月31日 23時
